［J１第30節］川崎 ４－２ 福岡／10月20日／等々力陸上競技場

　アビスパ福岡は10月20日、J１リーグ30節で川崎フロンターレと対戦。終盤までリードしてゲームを進めたが、84分に小林悠に同点ゴールを奪われると、アディショナルタイムに失点を重ね、２－４で逆転負けを喫した。

　特筆すべきは78分に投入され、わずか６分で結果を残した小林の存在感だ。敗戦の気配も漂い始めたゲームを振り出しに戻すだけでなく、アディショナルタイムの逆転劇を呼び込むようなムードすら作り出した。スタンドには「11番」のユニホームを掲げ、立ち上がる観客の姿もあった。

　そんな相手エースの活躍に、福岡のFW鶴野怜樹も刺激を受けたという。

　福岡大卒のストライカーは、「11番の小林選手は、自分がプロになる前から知ってる選手で、実は最近お手本にしてる選手」だと明かしてくれた。

　普段はあまり他の選手のプレーを見るほうではないが、元川崎で現福岡の主将、奈良竜樹から「動き出しが凄いから」と見るように勧められたのがきっかけだったという。
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　この試合でも、福岡の屈強なDF陣相手に、一瞬の動き出しからゴールを決めて見せた姿には、敵ながら感じる部分もあった。

「すごく大きいわけでもなく、特別に足が速いわけでもないと思いますが、今日のように途中出場からでも点を決めて、雰囲気をガラっと変えられる。自分もそんな選手にならないといけない」

　昨季の特別指定を経て、今季加入したルーキーは、10月８日の天皇杯準決勝の川崎戦でも終盤にゴールを決め、中２日で迎えたルヴァンカップ準決勝の名古屋戦でも決勝点を叩き込むなど、成長の一途を辿る。

　目の当たりにした川崎のエースのような存在になる日も近いか。

取材・文●渡邊裕樹（サッカーダイジェスト編集部）

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