出場機会が限られようとも
[J1第30節]川崎4-2福岡/10月20日/等々力陸上競技場
「いやーすごい感じましたよ。本当に」
少し間を空けて、感慨深い笑顔を浮かべながら小林悠は答えた。
福岡との一戦、1-2のビハインドで迎えた84分、チームを逆転勝利に導くキッカケとなる劇的な同点弾を挙げたのは、直前にピッチに送りまこれた小林悠だった。チームはその後、遠野大弥、宮代大聖のゴールで勝ち切るのだが、試合後、スタンドには多くの「11番」のユニホームを掲げる人の姿があった。その光景に何を思ったのか。想いを訊くと、冒頭の言葉とともに、小林はこう語ったのだ。
「これだけ試合に絡めていなくても、自分の11番のユニホームを着て応援に来てくれるサポーターがたくさんいる。うん...、やっぱり本当に嬉しいですし、そういった方々のために自分はゴールを決めて来たんだなと。それをまた感じることができたので、当分、また頑張れそうです」
9月に36歳になったストライカーの決定力はやはり錆び付いていなかった。しかし、今夏に元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスが加わったこともあり、ここ数試合はベンチに入っても出場機会を得られないゲームが続いていた。
試合後、若手たちと熱気が収まったグラウンドでダッシュを繰り返す姿を、そして練習場で何本もシュートを打ち込む姿を見ていたからこそ、チャンスが回ってきた福岡戦で、CBの山村和也からのロングフィードを絶妙なトラップで収め、冷静にゴールへ流し込んだ一発は、多くの人の心を鷲掴みにし、涙腺を崩壊させたのである。これぞ小林悠だと――。
【画像】セルジオ越後、小野伸二、大久保嘉人、中村憲剛ら28名が厳選した「 J歴代ベスト11」を一挙公開!
「いやーすごい感じましたよ。本当に」
少し間を空けて、感慨深い笑顔を浮かべながら小林悠は答えた。
福岡との一戦、1-2のビハインドで迎えた84分、チームを逆転勝利に導くキッカケとなる劇的な同点弾を挙げたのは、直前にピッチに送りまこれた小林悠だった。チームはその後、遠野大弥、宮代大聖のゴールで勝ち切るのだが、試合後、スタンドには多くの「11番」のユニホームを掲げる人の姿があった。その光景に何を思ったのか。想いを訊くと、冒頭の言葉とともに、小林はこう語ったのだ。
「これだけ試合に絡めていなくても、自分の11番のユニホームを着て応援に来てくれるサポーターがたくさんいる。うん...、やっぱり本当に嬉しいですし、そういった方々のために自分はゴールを決めて来たんだなと。それをまた感じることができたので、当分、また頑張れそうです」
9月に36歳になったストライカーの決定力はやはり錆び付いていなかった。しかし、今夏に元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスが加わったこともあり、ここ数試合はベンチに入っても出場機会を得られないゲームが続いていた。
試合後、若手たちと熱気が収まったグラウンドでダッシュを繰り返す姿を、そして練習場で何本もシュートを打ち込む姿を見ていたからこそ、チャンスが回ってきた福岡戦で、CBの山村和也からのロングフィードを絶妙なトラップで収め、冷静にゴールへ流し込んだ一発は、多くの人の心を鷲掴みにし、涙腺を崩壊させたのである。これぞ小林悠だと――。
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10月3日、同級生で切磋琢磨してきた太田宏介(町田)が今季限りでの引退を発表した。その際、想いを明かしてくれていた。
「宏介には『俺はもう少し頑張るよ』と伝えました。
『できない』って、言いたくない自分がいるんですよ。葛藤はありますが、まだまだ身体は動く。なんなら宏介より俺のほうが身体はボロボロなんですけどね(笑)。
でもやれるところまで、足掻いてやり続けますよ。まずは練習でのアピールから」
出場機会が減り、身体には多くの傷が刻まれている。それでも、川崎のエースと言えるのはやはりこの男なのである。
彼が点を取れば、スタジアムが湧き、チームメイトに力を与える。そんな不思議な力を持つストライカーはなかなかいない。そしてそんな男のゴールを誰もが待ちわびているのである。
それこそ福岡戦の試合後には、小林と多くの人の心が通じ合う感動的な光景が広がっていた。
以前、点を取れなくなった時こそスパイクを脱ぐ時だと語っていた。でも、1点でも取れれば続けられるとも。
「生きているなと感じました」
福岡戦のゴールで新たな糧を得た男が戦い続ける姿を、勝手ながらまだまだ見たい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
小林悠は太田宏介の引退に何を思ったのか。盟友にかけた「俺はもう少し頑張る」に込めた覚悟【川崎】
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『できない』って、言いたくない自分がいるんですよ。葛藤はありますが、まだまだ身体は動く。なんなら宏介より俺のほうが身体はボロボロなんですけどね(笑)。
でもやれるところまで、足掻いてやり続けますよ。まずは練習でのアピールから」
出場機会が減り、身体には多くの傷が刻まれている。それでも、川崎のエースと言えるのはやはりこの男なのである。
彼が点を取れば、スタジアムが湧き、チームメイトに力を与える。そんな不思議な力を持つストライカーはなかなかいない。そしてそんな男のゴールを誰もが待ちわびているのである。
それこそ福岡戦の試合後には、小林と多くの人の心が通じ合う感動的な光景が広がっていた。
以前、点を取れなくなった時こそスパイクを脱ぐ時だと語っていた。でも、1点でも取れれば続けられるとも。
「生きているなと感じました」
福岡戦のゴールで新たな糧を得た男が戦い続ける姿を、勝手ながらまだまだ見たい。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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