［国際親善試合］日本 ４－１ カナダ／10月13日／デンカビッグスワンスタジアム

　カナダと対戦し、４－１で勝利した森保ジャパン。今回は４－１－４－１でスタートし、カナダに与えたPKをGK大迫敬介（広島）がストップした後から４－２－３－１にシフトして、49分までに４ゴールを奪った。

　終盤に１点を返されたが、鎌田大地（ラツィオ）や三笘薫（ブライトン）がいないメンバー構成の中で、前回の２試合（ドイツ戦、トルコ戦）とも異なる組み合わせをテストして、結果も出せたことは前向きな収穫と言える。

　注目ポイントとして挙げたいのが、１人の選手が複数のポジションやタスクをこなすシミュレーションだ。

　コロナ禍のレギュレーションとして、カタールW杯の本大会は選手登録が26人だった。森保一監督はその後の親善試合でも26人を招集してきたが、11月から始まるワールドカップのアジア２次予選からは23人に戻る予定で、決勝まで７試合を戦う来年１月のアジアカップも23人になる見込みだ。

　そうなると26人の構成よりも、メンバーに複数のポジションをこなせるポリバレントな選手の重要度が、格段に上がるのだ。
【動画】影山優佳がカナダ戦を大胆に振り返る!!

　中盤の選手が４－１－４－１と４－２－３－１の可変システムに対応して、田中碧（デュッセルドルフ）は左インサイドハーフとボランチ、カタールW杯以来の代表復帰となった南野拓実（モナコ）が右インサイドハーフとトップ下を兼ねることは、試合前から想定できていた。

　特筆すべきトピックは毎熊晟矢（C大阪）の起用法だ。右SBでスタメン起用された毎熊は、83分に２列目の南野が下がり、伊東純也（スタッド・ドゥ・ランス）が右から左に回ると、右サイドハーフに上がった。毎熊は「サイドハーフはセレッソでもやっていたポジションですし、やりづらさは特になかった」と振り返る。

　そのなかで、89分の失点シーンは同サイドで縦パスを通されてしまったことで、橋岡大樹（シント＝トロイデン）の対応も後手になり、ディフェンス全体にズレが生じてしまった。

　毎熊は「橋岡選手とも話しましたけど、声が通らないなかで、どれだけ個人戦術でやれるかというのも大事なので。課題として取り組みたい」と語る。

　そうした課題は出たが、代表２試合目の毎熊が90分で、２つのポジションを経験したというのは森保監督の期待の表われでもあり、今後の予選やアジアカップを想定したシミュレーションであることは確かだろう。

【PHOTO】日本代表のカナダ戦出場17選手＆監督の採点・寸評。３人が７点台の高評価。MOMは２ゴールの17番