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偉大な守護神の系譜を継ぐ男、鈴木彩艶。「いろんな雑音もあるけど気にしない」。前向きなマインドで、自分の道を突き進み、未来を切り拓く

カテゴリ:海外日本人

元川悦子

2023年09月30日

中村航輔の助言『やるしかねえ』

鈴木彩艶(すずき・ざいおん)02年8月21日生、埼玉県出身。浦和のアカデミー育ちで、21年にトップ昇格。今夏にシント=トロイデンに移籍。海外の選手に見劣りしないサイズでゴールを守る守護神。写真:元川悦子

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 190センチ・93キロという恵まれた体躯を誇り、98年フランス大会から4度続けてワールドカップに出場した川口能活から、「高さに加えて体重があるのが魅力」と太鼓判を押されている鈴木彩艶(シント=トロイデン。以下、STVV)。

 日本人離れした屈強なフィジカルと鋭い反応、精度の高いキック力を備えていながら、浦和では試合出場の壁に長い間、ぶつかり続けてきた。

 だが、今夏から赴いたベルギーで継続的に試合に出るようになり、いよいよ日本代表抜擢も現実味を帯びてきた。実際、9月17日のメヘレン戦にも森保一監督が直々に視察に訪れている。橋岡大樹や伊藤涼太郎と同時に、鈴木の一挙手一投足を確認したいという思惑は間違いなくあったはずだ。

「9月のインターナショナルマッチデーは、U-23アジアカップ予選でバーレーンに行っていたので、ドイツ戦やトルコ戦は生では見られませんでしたが、映像はチェックしました。

 最初の試合は、東京五輪で一緒に戦った大迫(敬介)選手(広島)が試合に出ていましたけど、ドイツ相手に非常に落ち着いたプレーを見せていた。『自分もあそこに立たなきゃいけないな』としみじみ感じました。

 次の試合は中村航輔選手(ポルティモネンセ)が先発しました。中村選手とは昨年11月にポルトガル遠征に行った時に話す機会があって、海外移籍のこと、試合に出られない時にどういう気持ちで練習しているのかを聞きました。

 中村選手の答えは『やるしかねえ』だった。それを繰り返してチャンスを掴み取って、今に至っているんだと思った。僕も『やっぱそうなんだな』と感じたし、説得力が凄かった。思い切り勇気づけられましたね。

 その中村選手が代表に復帰し、先発していたので感慨深かった。前半で負傷交代してしまったのは残念でしたが、刺激は受けました」と、鈴木は目を輝かせた。

 その舞台に到達するために、鈴木としては、まずU-22日本代表で結果を出さなければいけないという思いが強い。9月のバーレーンでの大会も、日本はパキスタン、パレスチナ、バーレーンと戦い、初戦こそ6-0で大勝したが、2戦目は1-0の辛勝。最終戦はスコアレスドローというホロ苦い結果を強いられている。
 
 3戦すべてにフル出場した鈴木の中では、いくつか課題も見つかったようだ。

「まずはパリ五輪最終予選への出場権獲得のため、1次予選を突破する必要がありました。それができたのはひと安心ですけど、特にバーレーン戦を見てもらったら分かる通り、試合終盤にチームがバタバタして、何が起きるか分からない状況が続いた。もっとチーム全体を落ち着かせなければいけなかったと反省しています。

 来年4月の最終予選はもっとタフな戦いになる。昨年、ウズベキスタンのU-23アジアカップにも出ましたけど、非常に難しい戦いが続いたし、アジアだからこそ何が起きるか分からないという部分もある。負けたら終わりという重圧ものしかかるので、今まで以上に気を引き締めて臨まないと、パリに行くのは難しいんじゃないかなと思います。

 僕は東京五輪のメンバーとして、チームに帯同した1人。2年前は試合には出られませんでしたけど、あの大舞台を経験した以上、絶対にパリ五輪で結果を出したいと思っています。

 三笘(薫)選手(ブライトン)のように、東京五輪のメンバーの多くが2022年のカタール・ワールドカップへ行き、今の代表の主力にもなっている。世界基準に早く追いつきたいという気持ちも強いですね」と、鈴木のスタンダードはパリ五輪代表レベルをはるかに越えているのだ。

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