［J１第28節］湘南 ０－２ 川崎／９月24日／国立競技場

「絶対に勝ちたかったですが、結果がついてこず、残念な気持ちです」

　９月24日、J１第28節の川崎フロンターレ戦に先発出場した湘南ベルマーレのGK馬渡洋樹が素直な気持ちを口にした。

　馬渡は前節の北海道コンサドーレ札幌戦（１－０）に続き、川崎戦で今季２試合目の出場。彼自身のパフォーマンスが振るわなかったわけではないが、11分に１対１を決められて先制を許すと、36分に味方がエリア内でファウルを犯してPKに。ゴール裏に集った黄緑色の大観衆を背にストップに成功したが、キッカーが蹴る前にライン上から足を離してしまい、やり直しに。２度目は止められなかった。

　国立競技場での大一番。それも、古巣・川崎との一戦だった。当然、馬渡は熱い想いを持って試合に臨んだ。

「先週、約１年ぶりのJリーグの試合で結果を残せて、監督に信用して使ってもらえました。古巣の川崎が相手だったのでより一層、気合が入っていました。それだけに、勝てなかった悔しさが大きいです」

　馬渡は昨季に湘南に加入すると、GK谷晃生の契約上の問題と、富居大樹のコンディション不良が重なった７月６日のJ１第20節・ガンバ大阪戦（１－０）でスタメン入り。これが自身のJ１初出場となった。

　さらに前節の札幌戦で自身２度目のJ１出場。いずれもクリーンシートでの勝利を収めるという“ラッキーボーイ”ぶりを見せていた。
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　湘南で出場した過去２戦で共通していたのが、前半終了間際や後半の早い段階で足をつってしまっていた点だ。足を抑えながらギリギリで最後まで戦い抜き、試合後にピッチに倒れこむ姿は感動的ではあったが、馬渡は各ゲーム後に「次はつらないように」とコメントを残していた。

　札幌戦から期間を空けずに臨んだ川崎戦では、ついに90分間、足をつらずに戦い切った。チームの結果は悔しいものだったが、馬渡にとってはひとつ階段を登れた試合だったと言えそうだ。

　本人は足をつらずに戦い抜けた要因を、こう分析している。

「過去２試合で足をつってしまっていたので（笑）。いきなり使われると試合感がなくなって、つってしまいますが、今日は連戦だったのが幸いしたのか、つらずに戦えたので良かった。今日はロングボールなど、力を入れるプレーがあまりなかったので、そういったことも関係しているのかなと思います」

　足をつらないために取り組んだこともあるという。

「緊張はあまりしないタイプなのですが、それでもつっちゃうので...最初につってしまったガンバ大阪戦から、色々やりましたね。ジョギングとか、カフェインをとらないとか。それでも先週の札幌戦でつってしまったので、どうしようかなと思っていましたが（笑）」

　様々な取り組みが奏功して、初めて痛むことなく90分を戦い切った馬渡。川崎戦で味わった手応えと悔しさを糧に、負傷離脱中のソン・ボムグンの穴を埋める活躍を期待したい。

取材・文●岩澤凪冴（サッカーダイジェスト編集部）

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