【バイエルン番記者】ロッカールームは煮えたぎっている状態――。波紋を呼んだ“モグラ”の密告

カテゴリ:連載・コラム

パトリック・シュトラッサー

2016年02月05日

「ミーティングで話した内容が翌日の新聞に載っている」

密告者について言及したグアルディオラ監督。それでも「チームの雰囲気は良い」と主張したが……。(C)Getty Images

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 1990年代前半、シュテファン・エッフェンベルクやローター・マテウスを擁するバイエルンは「FCハリウッド」と呼ばれていた。プレーだけでなく、女性問題などで世間を賑わせる機会が多かったからだ。

 ピッチ外で話題を提供しているという意味では、現在のバイエルンも似ている。先日、ジョゼップ・グアルディオラ監督がこんな発言をしたのだ。

「ミーティングで話した内容が翌日の新聞に載っている。“モグラ”がいることに気づいたのは、ここに来て2か月後くらいだった。最初は驚いたが、今はもう慣れたよ。何度も解決しようと試みたが、結局どうにもならなかった」

 モグラとはドイツ語で「密告者」を意味する。つまり、チーム内部の情報をメディアに漏らしている人間がいるのだ。そのモグラからリークを受けた専門誌『キッカー』はこんな記事を掲載している。

「バイエルンのロッカールームは、まさに煮えたぎっている状態だ。グアルディオラと選手の関係は悪化している。ウインターブレイク中に実施したカタールでのキャンプではリベリとビダルを激しく叱責する場面があった。現在負傷で戦列を離れている選手とも問題を抱えている。全員が戻ってくれば、衝突は避けられないだろう」

 この記事に対して質問を求められたスポーツディレクターのマティアス・ザマーは、「全くバカげている」と一笑に付した。グアルディオラ監督も「チームの雰囲気は良い」と真っ向から反論している。

 選手たちの受け止め方は様々だ。「こういう問題は以前にもあったし、今後もあるだろう。僕らは監督の指示に従ってプレーするだけだよ」と主将のフィリップ・ラームが冷静に語る一方で、アリエン・ロッベンは「その密告者は恥を知るべきだ」と怒りを露にしている。

 モグラが一体誰で、どういう意図でこのような行為に及んだのかはわからない。ただ、チームに対して何かしらの不満を抱えている人物なのは間違いない。

 仮に密告した内容が事実なら、バイエルンの3冠達成はかなり難しいミッションになるだろう。求心力が低下したグアルディオラに、はたしてどれだけの選手がついていくのか。7月からマンチェスター・シティで新たなキャリアをスタートさせる監督自身も、今の仕事に100%集中しているかどうか、疑問符が付く。

 いずれにせよ、残りの3か月はバイエルンとグアルディオラにとって真価の問われる戦いとなりそうだ。

文:パトリック・シュトラッサー(アーベントツァイトゥング紙)
翻訳:円賀貴子

【著者プロフィール】
Patrick STRASSER(パトリック・シュトラッサー)/1975年ミュンヘン生まれ。10歳の時からバイエルンのホームゲームに通っていた筋金入りで、1998年に『アーベントツァイトゥング』紙の記者になり、2003年からバイエルンの番記者を務める。2010年に上梓した『ヘーネス、ここにあり!』、2012年の『まるで違う人間のように』(シャルケの元マネジャー、ルディ・アッサウアーの自伝)がともにベストセラーに。
 

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