チャンピオンズリーグ（CL）開幕節のフェイエノールト対セルティック戦を前に、オランダのメディアは「アジア人をたくさん抱えるセルティックのサッカーは侮れない。とくにKYOGO（古橋亨梧）は要注意」と書き立てた。

　実際、キックオフからしばらくはフェイエノールトのプレッシングが空回りし、セルティックが優勢に試合を進め、15分、18分には「守」からの切り替えからMF旗手怜央がシュートで攻撃を締めくくった。セルティック攻勢の時間帯では、右ウイングを務めた前田大然のプレッシングが再三フェイエノールトのDF陣を慌てさせた。

「でも、その（優勢だった時間の）なかでゴールが取れなかったということがありました。前半、やっぱりゼロで抑えていたら違ったかなという展開だったので、あの失点がもったいなかった」（前田）

“あの失点”とは前半アディショナルタイムに、フェイエノールトのMFステングスに許した先制弾。前半半ば頃からセルティックのアンカー、マグレガー主将のマーク役を務め、試合の流れを互角に持ち込むことに貢献したステングスが、得意の左足を炸裂させた。

　後半に入るとフェイエノールトのパスの精度とプレーのスピードが上がり、中盤のグリップを失ったセルティックは58分に旗手を下げてホルムを投入。しかし、63分にCBラーゲルビエルケがペナルティーエリア内でファウルを犯してフェイエノールトにPKを献上すると同時に、２枚目の警告を受けて退場。幸い、パイションのPKをGKハートが防いで差を１点に保ったものの、数的不利に陥ったセルティックは古橋を下げ、CB岩田智輝を急きょ抜擢せざるを得なかった。
 

　その後、CFにポジションを移し82分までプレーした前田はチームの出来を次のように振り返る。

「スコットランドリーグでは、どんどん前からみんなが勢いを持ってビビらず（プレスに）行けていると思うんですが、CLということもあって（守備陣の重心が）後ろ後ろになってしまいました。前線に後ろが付いてこない状態があったので、間延びしてその間を突かれてしまったかなと思います」
　
　スピードを活かしたプレッシングに「（フェイエノールトの）CBは前から来るとビビっていた」と感じていたからこそ、「もっとチームとして前から行くべきだった」と前田は残念そうだった。