８月中旬にパリ・サンジェルマンからサウジアラビアのアル・ヒラルへ移籍したネイマールが９月４日、セレソン（ブラジル代表）の合宿地であるブラジル北東部ベレンに到着した。2026年ワールドカップ南米予選の最初の２節（８日ボリビア戦、12日ペルー戦）に出場するためだ。
 
　そんなネイマールが、ブラジルのテレビのスポーツ番組で、パリSG時代の本音から現在の心境までを赤裸々に語った。
 
「僕とメッシは、（パリSGがCLで早期敗退するたびに）地元メディアとサポーターから不当な批判を受け、地獄のような日々を過ごした」
 
　そう鬱憤をぶちまけると、「ワールドカップで優勝するのが幼い頃からの夢だった。2026年大会に出場して、是が非でも世界の頂点に立ちたい」と、今後もセレソンでプレーを続ける意向を明言した。

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　さらに「今後、セレソンの攻撃を担うのはヴィニシウスとロドリゴ（ともにレアル・マドリー）だろうね。彼らと一緒に栄光をつかみたい」、「（自分の出身クラブである）サントスでまたプレーしたい」とも語っている。
 
　現在31歳。26年ワールドカップ開幕時の年齢は34歳だ。加齢による肉体的な衰え以上に懸念されるのが、近年、怪我が極めて多いことだ。昨年来、「強いプレッシャーを受けながらプレーするのに疲れた」とも漏らしており、フットボールに対する情熱が薄れつつあるのも明らか。新天地のサウジアラビアで身体的、技術的なコンディションをいかにして維持するか、という問題ものしかかる。
 
　今後、ネイマールがクラブと代表でどのようなプレーをするのか、そして26年にいかなる状態にあるのか。ブラジル国民も国内のメディアも決して楽観していない。まだネイマールに頼るべきなのか、あるいはもう忘れた方がいいのか。複雑な思いを抱きながら、ネイマールを見守っている。
 
文●沢田啓明
 
【著者プロフィール】
1986年にブラジル・サンパウロへ移り住み、以後、ブラジルと南米のフットボールを追い続けている。日本のフットボール専門誌、スポーツ紙、一般紙、ウェブサイトなどに寄稿しており、著書に『マラカナンの悲劇』、『情熱のブラジルサッカー』などがある。1955年、山口県出身。

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