［J１第26節］C大阪 ３－０ 川崎／９月２日／ヨドコウ桜スタジアム

　３日前、PK戦までもつれ込んだ天皇杯準々決勝の新潟戦を制していた川崎は、中２日のアウェー連戦でC大阪と対戦。

　選手たちの疲労度に加え、C大阪対策としての意味合いもあったのだろう、この試合、鬼木達監督は従来の４－３－３ではなく、３－５－２を採用した。

　不慣れなシステムに序盤はミスが目立ったが、守備時は５バックで、４トップのように高い位置を取るC大阪の２トップ＋サイドハーフを抑え込みながら、ウイングバックを生かした素早い攻撃でチャンスを作るなど、前半はまずまずの展開を見せた。

　しかし、守備対応がズレた52分に警戒していたはずのジョルディ・クルークスのクロスからウオンゴールで先制を許すと、72分と90＋２分にはPKを許し、０－３の完敗を喫した。

　選手たちは全力を尽くしているのは十分に理解できる。連戦という影響もあっただろう。しかし、リーグ戦はアウェーの神戸戦を引き分けて以降、２分４敗。苦しい戦いが続く。チームはルヴァンカップを敗退しているため、Aマッチウィークに入るこのタイミングで、数日のオフを含め約２週間のインターバルに入り、９月15日のFC東京戦へ向かうが、その４日後にはアウェーでのACL初戦、敵地マレーシアでのジョホール・ダルル・タクジム戦を控えている。

　そんなチームに今、何が必要なのか。何かを変えるべきなのか、鬼木監督に訊いた。
 

「この中断期間でいろいろ考えなくてはいけないと思っています。ただ、やっぱりずっとリーグ戦でタイトル争いをしてきたなかで、中位などにいる現状は、選手たちもあまり経験してこなかったことです。そういう意味では目標や、自分たちが目指すもの、サッカーの内容も含めてもっと明確にしなければいけません。もちろん勝ちが一番必要ですが、その両方を求めていかなければ勝利はなかなか手に入らないと思うので、いろいろなところを整理したいです」

　鬼木監督は常に優勝という言葉を選手たちに投げかけ、意識を高く持つことを強調してきた。だが、首位の横浜と17ポイント差の９位に甘んじる現状で、目標設定が難しくなっている部分があるのだろう。

　まずはベスト４に進出した天皇杯のタイトル奪取をマストに掲げながら、悲願の大会制覇へACLへ臨む。そのなかで、リーグ戦をどのように戦うか、指揮官のマネジメントが大きなポイントになりそうだ。

　リーグ戦で目指すべき方向性がブレがちな今こそ、もったいない試合をなくすためにも、チーム全員で意識を揃える時なのだろう。

取材・文●本田健介（サッカーダイジェスト編集部）



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