［J１第26節］C大阪 ３－０ 川崎／９月２日／ヨドコウ桜スタジアム

　PK戦までもつれた天皇杯準々決勝の新潟戦を制して中２日、アウェー連戦としてC大阪戦に臨んだ川崎は、２本のPKを含む後半の３失点で完敗。リーグ戦はここ６試合で２分４敗と、厳しい時間が続く。

　新潟戦から選手を入れ替えて臨んだ一戦、鬼木達監督は従来の４－３－３ではなく、３ー５ー２を採用し、左ウイングバックで攻守に走り回ったのが瀬川祐輔だった。

　立ち上がりこそ不慣れなシステムでミスが目立った川崎だったが、20分ごろから安定。守備時は５バック気味でC大阪の攻撃に対応し、攻めては瀬川らウイングバックを生かしながらチャンスを作った。

「悪くはなかったです。前半は自分たちのミスから失点しそうなところもありましたが、そこまで崩された場面はなかったと思います。負けちゃったのでなんとも言えないですが...」

　瀬川もそう振り返る。

　もっともこの万能型のアタッカーが悔いたのが52分の失点場面だ。川崎の左サイドで警戒していたはずのジョルディ・クルークスにクロスを入れられると、中央でレオ・セアラと山村和也、高井幸大が競ったところで、ボールが高井の頭に当たり、ネットに吸い込まれた。

　ただ瀬川は、自らの対応を含め、その直前のプレーを指摘する。
　
 ハーフウェーライン付近、少し内側でC大阪の右SB毎熊晟矢がボール持つと、左ウイングバックの瀬川がプレスをかけ、それに呼応すようにインサイドハーフの橘田健人、アンカーのジョアン・シミッチも奪いにかかる。しかし、毎熊にボランチの香川真司とのワンツーでいなされると、もう一人のボランチ、喜田陽への縦パスを許す。川崎はプレスを回避されると、喜田から再び香川につながれ、左サイドのJ・クルークスへ展開されたのだ。

　すると３バックの左に入った、田邉秀斗が対応へ外につり出される。だが、寄せが間に合わず、クロスを入れられると、前述のように失点につながったのだ。

　不慣れなシステムだっただけに、連動が難しかった部分はあるのだろう。それでも瀬川は隙が出てしまったと語る。
 

「失点シーンはいろいろなところで隙が生まれてしまったと言いますか...。僕が毎熊くんのところにプレッシャーをかけて、そのままついていっている時に、（橘田）健人とジョアン（・シミッチ）もふたり来てしまい、要は３人で毎熊選手に行ってしまった。そうなれば空くところが出てきますし、ワイドも空いてしまう。クルークス選手への対応、クロスへの対応、シュートへの対応、いろんな選手の隙が出てしまったことで失点をしてしまった。あの失点は痛かったです」

　先制をされた後、川崎は前に出たが、VAR判定もあって２本のPKを奪われて０－３で敗れた。

　先制点を許したシーンを橘田も「３、４人置き去りにされてしまったので、そこはもっと冷静にやるべきでしたし、慣れていないシステムですが、個人のところでもっと良い判断もできたはずなので、そこは試合の展開などを踏まえて、流れを読みながらプレーすべきでした。枚数をかけて奪いに行ったシーンだったので、行くならしっかり取り切れるようにこだわりながらやりたいです」と語る。

　なかなかリーグ戦では結果を残せない苦しい状況。今季、川崎に加入した瀬川の目にはチームの課題はどう映っているのか。

「難しいですね。でも必要なのは守備の整理と攻撃の部分かなと。自信を持って相手の嫌なことをするとか、最後まで相手を見るだとか、僕もそうですが、そういうところをもっと細かくやっていかなくてはいけないと感じます。早い段階でクロスを入れるとか、ミスマッチのところを突くとか、いろんなことをしたなかでもっと相手の嫌なことをやるべきかなと。

（今後に向けては）いろんな選手が反省をしなくてはいけないですし、中断を挟んでACLも入ってくるので、気持ちの整理をして立て直さなくちゃいけないです」

　ここからAマッチウィークに入り、ルヴァンカップも敗退している川崎は約２週間のインターバルに入る。もっとも次の９月15日のFC東京戦の４日後には、アウェーでのACL初戦、敵地マレーシアでのジョホール・ダルル・タクジム戦が控える。

　数日のオフと、まとまったトレーニング期間を生かして川崎は立て直すことができるのか。大事な時間になりそうだ。

取材・文●本田健介（サッカーダイジェスト編集部）

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