そもそもチャンスをもらえる確率が低い
フットボーラー=仕事という観点から、選手の本音を聞き出す企画だ。子どもたちの憧れであるプロフットボーラーは、実は不安定で過酷な職業でもあり、そうした側面から見えてくる現実も伝えたい。今回は【職業:プロフットボーラー】権田修一編のパート2だ(パート5まで続く)。
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アマチュアからプロへ。その変化に戸惑う選手もいる。実際、ユース年代で絶対的エースだった逸材がプロになった途端、挫折を味わうケースは少なくない。それを見て、権田修一選手は何を感じるのか。
「例えばプロ野球の世界でも、ドラフト1位の選手が全員、30歳過ぎまで活躍できるわけではないです。野球は代走や代打を含め1試合で起用されるのは約20人、サッカーは途中出場を入れて今は最大16人、数年前までは(3人交代で)14人と、そもそもチャンスをもらえる確率が低い。毎年有望な選手が入ってくる中で厳しい競争があるわけですから、出場できる確率って本当に低いんですよ」
そして、もうひとつ──。権田選手はそう言って自身の経験からある見解を示す。
「プロになることをゴールにしてしまっている選手がいる。もしかすると、これはクラブ側に問題があるかもしれない。選手を正しい方向に導けていないという意味で。いずれにしても、プロになってひと息ついちゃう選手と、その先に明確な目標や夢を持っている選手とでは違います」
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アマチュアからプロへ。その変化に戸惑う選手もいる。実際、ユース年代で絶対的エースだった逸材がプロになった途端、挫折を味わうケースは少なくない。それを見て、権田修一選手は何を感じるのか。
「例えばプロ野球の世界でも、ドラフト1位の選手が全員、30歳過ぎまで活躍できるわけではないです。野球は代走や代打を含め1試合で起用されるのは約20人、サッカーは途中出場を入れて今は最大16人、数年前までは(3人交代で)14人と、そもそもチャンスをもらえる確率が低い。毎年有望な選手が入ってくる中で厳しい競争があるわけですから、出場できる確率って本当に低いんですよ」
そして、もうひとつ──。権田選手はそう言って自身の経験からある見解を示す。
「プロになることをゴールにしてしまっている選手がいる。もしかすると、これはクラブ側に問題があるかもしれない。選手を正しい方向に導けていないという意味で。いずれにしても、プロになってひと息ついちゃう選手と、その先に明確な目標や夢を持っている選手とでは違います」
ここは下手に遮らず、権田選手の言葉に耳を傾ける。
「絶対にワールドカップで優勝する、そのために夏までにJリーグで10ゴール、10アシストを決めてヨーロッパの強豪クラブに移籍すると意気込む選手と、プロになったらお金をもらえるし、チームメイトは優しいし、なんとなくやっている選手とでは、日々の練習の質、それこそ生活の質が変わってきます。
中学や高校で一番手になれなかった選手のほうが、実はその悔しい経験を活かして頑張れる傾向にあります。足は速くないけど予測で相手を上回る力、テクニックの乏しさをポジショニングでカバーできる力、文字通り努力で得た武器を備えている選手のほうが長生きしたり、トップに登っている気がしますよね」
とここまで話して、「結局、早く気づけばいいんですよ」と権田選手は語気を強める。
「例えば3年契約で、1、2年目はプロになった満足感で生きる。3年目で急にスイッチを入れようとして、テンションを高めて練習したら身体がついてこなくて怪我をしてしまう。そういうパターンをよく見てきました」
「絶対にワールドカップで優勝する、そのために夏までにJリーグで10ゴール、10アシストを決めてヨーロッパの強豪クラブに移籍すると意気込む選手と、プロになったらお金をもらえるし、チームメイトは優しいし、なんとなくやっている選手とでは、日々の練習の質、それこそ生活の質が変わってきます。
中学や高校で一番手になれなかった選手のほうが、実はその悔しい経験を活かして頑張れる傾向にあります。足は速くないけど予測で相手を上回る力、テクニックの乏しさをポジショニングでカバーできる力、文字通り努力で得た武器を備えている選手のほうが長生きしたり、トップに登っている気がしますよね」
とここまで話して、「結局、早く気づけばいいんですよ」と権田選手は語気を強める。
「例えば3年契約で、1、2年目はプロになった満足感で生きる。3年目で急にスイッチを入れようとして、テンションを高めて練習したら身体がついてこなくて怪我をしてしまう。そういうパターンをよく見てきました」