様々なクラブにバンディエーラ（旗頭）がおり、愛や忠誠が重視された時代は過去となった。元フランス代表GKのセバスティアン・フレイは、現在のサッカー界を好ましく思っていないようだ。

　フレイの古巣であるインテルでは、直近で驚くようなニュースが注目された。たびたび愛情を強調し、完全移籍を希望していたロメル・ルカクが、チェルシーとの交渉成立を目前に連絡が取れなくなり、その背景にライバルのユベントスとの“浮気”があったというものだ。

　イタリアメディアによると、インテルはルカクの裏切りとも言える行為に激怒。獲得を取りやめ、チェルシーに撤退を通達したという。

　一方で、そのインテルは元ユベントスの選手を獲得した。ユーベで８シーズンを過ごし、昨季をもって契約満了で退団したファン・クアドラードだ。

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　クアドラードは近年の試合でたびたびインテル陣営と衝突し、サポーターの怒りを買っていた選手だ。「昨日の敵は今日の友」とすんなり受け入れられないインテルファンは多く、ウルトラスの一部はクラブオフィス前に集結し、抗議を試みた（最終的にはクラブの説得に応じて取りやめ）。

　インテル専門サイト『FCINTER1908.it』によると、フレイはこういった状況に、『TV Play』で「もうサッカー界は自分の居場所じゃないと言ったのは、時代や価値観が変わったと思うからだ。直近のセンセーショナルな例がルカクやクアドラードだよ」と話している。

「クアドラードには敬意を払うが、彼はインテルとのすべての対戦でサポーターをからかってきた選手じゃないか。インテルとユーベの間で問題になった近年の試合を振り返れば、常にクアドラードがいた。どうしてインテルがそういう選手を獲得すると決めたのか分からない。サポーターが怒るのは当然だ。拍手してもらうには、素晴らしいことを示す必要があるだろうな」

フレイは「チームメイトとの関係だって簡単じゃないだろう。ニコロ・バレッラがすぐに彼と一緒にディナーに行くとは思えない」と続けている。

「とにかく、クアドラードは若造じゃない。戦術的にどう馴染むかは分からない。あのポジションで35歳だから、数年前よりリズムは少し落ちていると思うがね。デンゼル・ドゥンフリースのポジションを奪うとは思わない」

　一方で、ルカクについて、フレイは「インテルに感謝すべき」と発言。「こうやってまた出ていくのは、バカげた態度だったと思う。インテルのサポーターが裏切られたと感じ、怒ったのは普通だよ」と不快感を表した。

「今のサッカーはこうなんだ。この爆弾発言もしておこうか。昨日、私の携帯に１枚の画像が寄せられた。写っていたのは、サウジアラビアのクラブの幹部と話していたルカクだ。そこに行くのか、ユベントスに行くのかは知らないけどね」

　新シーズンのセリエAで、ユベントスのユニホームを着たルカクと、インテルのユニホームを着たクアドラードが対戦することになるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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