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“第2の父”黒田剛監督が明かすバスケス獲得の背景「損得勘定はない」「両親も日本で働いていくのが大変そうで...」

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑

2023年07月08日

デビュー戦は最短で22日にホーム千葉戦

町田の黒田監督が、バスケス加入に言及。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

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 FC町田ゼルビアが東京ヴェルディからバスケス・バイロンを完全移籍で獲得した。

 この補強について町田の黒田剛監督は「累積警告の欠場や代表招集による離脱が今後も想定されるなか、優勝まであと一歩となった時に戦力不足で足踏み状態になるのは最悪。うちには平河悠という突破型のアタッカーがいるけど、次の突破型が必要になった」と話した。

 そこでバスケスに白羽の矢が立ったわけだが、J2優勝を争うライバル同士である2位の東京Vから首位の町田へ主力がシーズン中に移籍、しかも同じ東京都のクラブ、7月9日には国立競技場で行なわれる直接対決の直前とあって、SNSでは賛否両論の声がある。

 インターネットを通じて様々な反応を見たという黒田監督は、7日の囲み取材でバスケス加入に言及。明かしてくれたのは、青森山田高時代の「監督と選手」という括りには収まらない、2人の関係性だった。

「バイロンが中学3年生の時に、僕は彼を初めて見ました。当時から能力、センスがある子でしたね。でも、南米のチリから来た家庭の子ということもあって、両親も日本で働いていくのが大変そうだし、裕福ではない家庭という事実もある。それでも、バイロンがサッカーを続けるために僕は、彼の出身クラブの東松山ぺレーニアがある埼玉の実家まで行って、バイロンの両親と話しました。

 そして青森では僕が親代わりとなってバイロンの面倒を見て、家庭に負担がかからないよう、できる限りの配慮もしました。青森山田から、いわきに入る時も、いわきからヴェルディに移籍する時も、僕は彼のサポートをしてきました。

 またバイロンには最終的に海外で勝負したいという夢があります。第2の親として彼を支えてきた僕も、『世界でプレーしてほしい』と望んでいます。そこに損得勘定はないです。いずれ挑戦できるなら海外でやってほしい、そういう僕の親心を感じてくれているだろうから、バイロンは勇気を出して決断し、覚悟を持って町田に来てくれたと思います」
 
 バスケスにとって黒田監督は“第2の父”なのだろう。そんな指揮官が夏の移籍期間のタイミングで、自らを必要としてくれて町田からオファーが届けば、恩義に報いたい気持ちが働くのは自然な流れかもしれない。また、目標に向かって努力するプロフェッショナルとしても、自らの夢をよく理解してくれる恩師は頼もしい存在でもあるはずだ。

 だとしても、バスケスが東京Vのホームページを通じて「批判されるのも分かったうえでの決断」とコメントしたとおり、多様な意見が出る想定もあった今回の移籍。黒田監督は「(移籍に際して)僕はバイロンと直接やり取りするのがタブーなので、話すことも会うこともできませんでしたが、『迷って決められなさそうなら来なくていい』と強化部には話していた」という。

 そして黒田監督は、こうも語っていた。

「自分の私利私欲とか、そういうのはなくて。いずれバイロンが海外に挑戦できるとなった時、プラスマイナスゼロになってもいいと、僕は思っている。1人の選手のためにね」

 バスケスはすでに町田に合流しているが、試合に出られるのはJリーグが定める第2登録期間の7月21日からで、9日に国立競技場で行なわれる東京V戦には出場できない。

 黒田監督のもとで新たな一歩を踏み出すデビュー戦は、最短なら22日にホームの町田GIONスタジアムで行なわれるジェフユナイテッド千葉戦だ。

取材・文●志水麗鑑(フリーライター)

【動画】バスケス・バイロン加入記者会見

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