誤審騒動を受け、UEFA（欧州サッカー連盟）は軌道修正に動いたようだ。

　イタリアメディアは６月23日、UEFAが開催中のU-21欧州選手権で準々決勝からビデオアシスタントレフェリー（VAR）とゴールラインテクノロジー（GLT）を導入すると報じた。前日に行われたフランス対イタリアの試合で判定が問題になったことを受けての決定という。

　フランスが２－１で勝利した22日の試合では、イタリアメディアが度重なる誤審があったとして厳しい批判を浴びせていた。その中で問題視されたのが、VARとGLTが導入されていなかったことだ。

『Gazzetta dello Sport』紙など大手メディアは、フランスの得点場面で事前にファウルが見過ごされ、ハンドでイタリアに与えられるはずのPKがなかったと指摘している。

　何より問題視されたのが、終了間際のイタリアのシュートがゴールラインを割ったとみられる場面だ。映像では完全にゴールラインを割っているよううに見えるが、得点は認められず。イタリアのメディアは、この場面で相手選手のハンドも疑われるとし、テクノロジーを導入していなかったUEFAを非難した。

【画像】まさかのノーゴール！イタリアメディアが猛批判したシーン

Gazzetta dello Sport紙のルイジ・ガルランド記者は、「突然、中世に戻った」と批判している。

「AIの時代、チャットボットが小説を書く時代に、サッカーの世界は古代に戻った」

同紙によると、イタリアサッカー連盟のガブリエレ・グラヴィーナ会長は23日、「私はいつも物事のポジティブな側面を見る。我々は世界最強のひとつを相手に素晴らしい試合をした」と話している

「だが、残念ながら我々は罰せられた。VARのサポートがあれば重要になっていただろう。試合後に打ちひしがれていた選手たちを見てつらかった。残念ながら今回は我々にそういうことが起きてしまった。ひどい敗北について話すことになった」

そのうえで、同会長は「我々はスポーツマンであり、存在しない陰謀論をつくることはしない」と続け、前を向かなければいけないと強調した。

「幸いにも、UEFAは準々決勝からVARを導入すると発表した。明日のスイス戦に勝たなければいけない」

　VARが導入されることになっても、試合結果が覆ることはない。イタリアは決勝トーナメント進出のために、この悔しさをスイス戦での結果に結びつけられるか。いずれにしても、今大会でこれ以上判定を巡る騒動が起きないことを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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