［キリンチャレンジカップ］日本４－１ペルー／６月20日／パナソニックスタジアム吹田

　日本代表は６月20日、キリンチャレンジカップでペルー代表と対戦し、４－１で快勝。三笘薫や伊東純也など、攻撃陣の活躍が光った一戦で、菅原由勢もまた評価を上げた選手のひとりだろう。

　攻撃時は、同じ右サイドで縦関係にある伊東に絶妙な距離感と強さのパスを通せば、自ら上がってクロスも供給し、チャンスを演出。守備では、素早い寄せで相手の攻撃を遅らせたり、自陣エリア内では身体を張ってシュートブロックに入る。右SBで先発出場した菅原は、61分に相馬勇紀との交代でピッチを退くまで、攻守に存在感を放った。

　特に目を引いたのは、チームの２点目の起点になったプレーだ。自陣エリアの右で板倉滉から横パスを受けた菅原は、前線から下りてきた伊東とのワンツーでハーフウェーライン付近までボールを運ぶと、相手DFを引き付けてから、中央でフリーになっていた鎌田大地にパスを供給した。そして、鎌田から三笘にボールが渡り、ゴールが生まれた。
【動画】華麗な突破からの三笘弾！

　このプレーは狙い通りだったようで、菅原は「（相手の）左サイドの選手は僕のパス＆ゴーの動きについてこないことを、試合の中で感じていたので、（パスを）出して動けばいけるかなと思っていました。純也くんの落としは完璧だったし、大地くんも良いところにいたので、僕は見て判断するだけでした。得点の起点になったのは嬉しいし、絡めて良かった」と振り返る。

　名古屋グランパスでプロデビューし、オランダのAZに移籍して３シーズンを過ごした。リーグ戦ではアヤックスといった強豪クラブと戦い、ヨーロッパカンファレンスリーグなどでは各国のクラブと対戦しており、こうした経験を通じて“考える深み”が増しているという。

　その深みとは、具体的に何なのか。

「いろんなサッカーを知ることだと思います。90分を通してボールを持つ時間と持たない時間、カウンターが多い時間、イージーミスが続く時間など、いろいろある。その時々にどういう考え方やマインドを持って、チームとしてプレーしていくかで違うし、そこはいろんな試合を経験しないと分からない。すべて自分の糧になりますし、一つひとつ無駄にしないようにしています」
　
　昨季はリーグ戦やカンファレンスリーグなどを含めて公式戦47試合に出場した菅原。「それだけ出たからこそ成長したと思いますし、試合に出れば出るだけ成長できるので、その可能性は自分次第」と語る22歳は、今後どのような成長を遂げるか、大いに注目だ。

取材・文●金子徹（サッカーダイジェスト編集部）

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