相反する文化を持つチームでゴールを決め続ける凄さ。
メッシ、ネイマールのいない横浜の夜、主役となったのはスアレスだった。大会史上初のハットトリックで、アジアチャンピオンの広州恒大を粉砕した。
スアレスはゴールを決める仕事人だ。敵味方が入り乱れた密集の中で、どうしたらゴールを決められるかを熟知している。
こぼれ球に真っ先に反応した1点目、スアレスはラキティッチがシュート体勢に入ったときに、キーパーが弾くことを思い描いただろう。そうでなければ、あれほどいいポジションは取れない。キーパーを壁としてわざと利用したのか、そう思えるようなゴールでもあった。
胸トラップからのボレーで決めた2点目、これはイニエスタのパスも絶妙だったが、あの難しいボールを時間もスペースもない中でネットに突き刺す技術には舌を巻くしかない。
スアレスが素晴らしいのは、ウルグアイ代表とバルサという相反する文化を持つチームで、ゴールを決め続けているところにある。
ウルグアイ代表では、バルサほど数多くのチャンスはない。だが、その1、2回を確実にストライクする。
一方、敵陣で攻め続けるバルサではチャンスは次々と訪れる。
だが、ここにも難しさはある。つねに敵を押し込んでいるため、ウルグアイ代表のときほど時間やスペースがないからだ。
どんな条件下でもゴールを決め続ける。これは技術はもちろん、集中力が並外れていなければできないことだ。
世界屈指のストライカー、スアレスのゴール術を紐解く上で無視できないのが、母国ウルグアイのサッカー文化だろう。
この国の人々は、いまも初代ワールドカップ優勝国のプライドを持ち続けている。国が小さいから、ブラジル、アルゼンチンに負けてもいいとは考えていない。
こうなると圧倒的な劣勢は大前提。守備者には10発殴られても倒れない精神力や狡猾さが、ストライカーにはわずかなチャンスを確実に仕留める技術と集中力が求められる。チャンスは二度とやって来ない。そのプレッシャーの中で、目の前にこぼれ落ちたチャンスを決めなければならないのだ。
バルサは強い。なぜなら、世界一パスの上手い集団の最前線に必殺仕事人がいるからだ。
取材・分:熊崎敬
スアレスはゴールを決める仕事人だ。敵味方が入り乱れた密集の中で、どうしたらゴールを決められるかを熟知している。
こぼれ球に真っ先に反応した1点目、スアレスはラキティッチがシュート体勢に入ったときに、キーパーが弾くことを思い描いただろう。そうでなければ、あれほどいいポジションは取れない。キーパーを壁としてわざと利用したのか、そう思えるようなゴールでもあった。
胸トラップからのボレーで決めた2点目、これはイニエスタのパスも絶妙だったが、あの難しいボールを時間もスペースもない中でネットに突き刺す技術には舌を巻くしかない。
スアレスが素晴らしいのは、ウルグアイ代表とバルサという相反する文化を持つチームで、ゴールを決め続けているところにある。
ウルグアイ代表では、バルサほど数多くのチャンスはない。だが、その1、2回を確実にストライクする。
一方、敵陣で攻め続けるバルサではチャンスは次々と訪れる。
だが、ここにも難しさはある。つねに敵を押し込んでいるため、ウルグアイ代表のときほど時間やスペースがないからだ。
どんな条件下でもゴールを決め続ける。これは技術はもちろん、集中力が並外れていなければできないことだ。
世界屈指のストライカー、スアレスのゴール術を紐解く上で無視できないのが、母国ウルグアイのサッカー文化だろう。
この国の人々は、いまも初代ワールドカップ優勝国のプライドを持ち続けている。国が小さいから、ブラジル、アルゼンチンに負けてもいいとは考えていない。
こうなると圧倒的な劣勢は大前提。守備者には10発殴られても倒れない精神力や狡猾さが、ストライカーにはわずかなチャンスを確実に仕留める技術と集中力が求められる。チャンスは二度とやって来ない。そのプレッシャーの中で、目の前にこぼれ落ちたチャンスを決めなければならないのだ。
バルサは強い。なぜなら、世界一パスの上手い集団の最前線に必殺仕事人がいるからだ。
取材・分:熊崎敬