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矢板中央の“カンテ”がピッチ内外で奮戦! 新リーダー井上拓実が示した強烈なキャプテンシー

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2023年04月25日

帝京戦は悔しい逆転負け

矢板中央のキャプテンを務める井上。球際の激しい守備と豊富な運動量が持ち味のボランチだ。写真:松尾祐希

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 選手権出場を逃してから約半年。復活を期す“栃木の雄”を牽引する新たなリーダーが成長の跡を示した。

 今季からキャプテンとなったMF井上拓実(3年)は4月22日、11時から行なわれた高円宮杯U-18プリンスリーグ関東1部・帝京戦のピッチに立っていた。

 結果は1-2で逆転負け。前半の早い時間帯に先制しながら、リードを守り切れずに今季初勝利は勝ち取れなかった。ダブルボランチの一角でプレーした新キャプテンは、球際の強さと豊富な運動量で存在感を示しつつ、最後まで仲間を鼓舞。しかし、結果は残せず、唇を噛んだ。

 トップチームの一員として勝利に貢献できなかったが、下を向いているわけにはいかない。15時から同じ会場でセカンドチームが同リーグ2部を戦う予定だったからだ。

 相手は2020年度に選手権優勝を果たしている山梨学院。セカンドチームもリーグ戦は未勝利で、部内の雰囲気を変えるためにも勝点3がどうしても欲しかった。
 
 立ち上がりからアグレッシブな守備で相手を飲み込み、伝統のセットプレーとカウンター攻勢で敵陣に進入していく。効果的にゴールを重ね、終わってみれば3-0の快勝。試合後は笑顔が弾け、セカンドチームの初勝利に井上も頬を緩ませた。

 振り返れば、井上にとって昨季と今季は苦難の連続だった。1年次からトップチームに帯同し、選手権にも出場した一方で、2年次は怪我の影響で大半を棒に振った。インターハイのメンバーからは漏れ、復帰してからもセカンドチームで技を磨く日々が続く。

 それでも1年次からトップカテゴリーを経験し、チームを引っ張っていくという覚悟が芽生えていた。小学校と中学校を通じて一度もキャプテンを務めておらず、どちらかと言えばリーダー役は苦手だったが、新チーム発足後は任命される前から先頭に立ってリーダーシップを発揮してきた。
 
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