準備がしっかり実を結んでの2点先制
【J1第9節】名古屋2-2湘南/4月23日/豊田スタジアム
勝てば首位奪取という状況は、前日に確定していた。
「そこはみんなが意識したと思う」。永井謙佑の言葉を借りずとも、2位の立場であれば否が応でも勝点3の価値は理解できるものだった。
【PHOTO】名古屋の出場13選手&監督の採点・寸評。持ち前の馬力で先制弾の森下。永井は味方のフォローで精力的なラン
幸運だったのはまだ9節という早い段階であり、「シーズンが始まってまだ3分の1も終わってない状況なので」(野上結貴)と、重荷になることはなかったこと。19日には、ターンオーバーしたチームでルヴァンカップのグループステージ最速突破という朗報もあり、中1週間でしっかり準備してきた“Aチーム”は、万全を期して湘南をホームに迎えていた。
その準備がしっかり実を結んでの2点先制という試合展開だったと思う。湘南のプレス圧とポゼッション力を正当に評価し、序盤から名古屋が選んだのは「ちょっと引き込んでみたいなイメージ。守備で主導権を握りながら、自分たちの得意とする形に持っていく」(野上)という立ち上がりだった。
実際の相手にアジャストする時間はややかかったものの、リズムを掴めばキャスパー・ユンカー、永井、マテウス・カストロのトリデンテが猛威を振るい出す。中野嘉大と杉岡大暉の湘南左サイドは攻撃参加も激しく、その背後をマテウスが次々と陥れてチャンスを生み出し、打ち合いのバランスを敵陣へと傾けていった。
そこで現在のチームの強みを活かしきったと言えるのが、先制点の場面だ。J1最速クラスのスピードを誇る名古屋の3トップは「後ろはついていけない!みたいな状態」(森下龍矢)という、味方すら置き去りの爆速ぶり。
勝てば首位奪取という状況は、前日に確定していた。
「そこはみんなが意識したと思う」。永井謙佑の言葉を借りずとも、2位の立場であれば否が応でも勝点3の価値は理解できるものだった。
【PHOTO】名古屋の出場13選手&監督の採点・寸評。持ち前の馬力で先制弾の森下。永井は味方のフォローで精力的なラン
幸運だったのはまだ9節という早い段階であり、「シーズンが始まってまだ3分の1も終わってない状況なので」(野上結貴)と、重荷になることはなかったこと。19日には、ターンオーバーしたチームでルヴァンカップのグループステージ最速突破という朗報もあり、中1週間でしっかり準備してきた“Aチーム”は、万全を期して湘南をホームに迎えていた。
その準備がしっかり実を結んでの2点先制という試合展開だったと思う。湘南のプレス圧とポゼッション力を正当に評価し、序盤から名古屋が選んだのは「ちょっと引き込んでみたいなイメージ。守備で主導権を握りながら、自分たちの得意とする形に持っていく」(野上)という立ち上がりだった。
実際の相手にアジャストする時間はややかかったものの、リズムを掴めばキャスパー・ユンカー、永井、マテウス・カストロのトリデンテが猛威を振るい出す。中野嘉大と杉岡大暉の湘南左サイドは攻撃参加も激しく、その背後をマテウスが次々と陥れてチャンスを生み出し、打ち合いのバランスを敵陣へと傾けていった。
そこで現在のチームの強みを活かしきったと言えるのが、先制点の場面だ。J1最速クラスのスピードを誇る名古屋の3トップは「後ろはついていけない!みたいな状態」(森下龍矢)という、味方すら置き去りの爆速ぶり。
しかし、その森下こそが彼らに追随できるスピードを誇る男であり、「スピード感とボールのフィーリングは、本当に過去最高の水準」と“3+1”の状況を生み出し攻撃に厚みを加えている。
41分の得点の場面も、米本拓司のインターセプト(これも今の名古屋の強みの1つ)から永井が素早くユンカーにつなぎ、追いついた永井、クロスに合わせたユンカーと猛スピードで展開していく攻撃に加わった森下が、最後にこぼれ球をねじ込んだ。
右からの攻撃が増える傾向のなかでは、フィニッシュへの参加を意識していたなか、走るコースも飛び込む緩急も含めて「かなり戦術的に、意図的にやれた」と手応えも強い。開幕当初は懸案でもあった左のウイングバックだが、森下の成長でむしろストロングにできているのは大きなことだ。
後半の中谷進之介の追加点も、ショートコーナーから逆サイドに稲垣祥を走らせ、頭での折り返しを中央で中谷が押し込んでいる、デザインされたもの。セットプレーでの稲垣と言えば、セカンドボールの狙撃手として警戒されることが多い部分を逆手に取るような構造は、コーチ陣もしてやったりの一撃だったに違いない。
前節でのゴールですっかり調子を取り戻したマテウスのボールも質が高く、今後の名古屋はセットプレーでの得点増も期待されるところ。次週からの上位直接対決でも、それは不可欠の武器となる。
【動画】名古屋、森下の先制弾&美しきセットプレー弾!
41分の得点の場面も、米本拓司のインターセプト(これも今の名古屋の強みの1つ)から永井が素早くユンカーにつなぎ、追いついた永井、クロスに合わせたユンカーと猛スピードで展開していく攻撃に加わった森下が、最後にこぼれ球をねじ込んだ。
右からの攻撃が増える傾向のなかでは、フィニッシュへの参加を意識していたなか、走るコースも飛び込む緩急も含めて「かなり戦術的に、意図的にやれた」と手応えも強い。開幕当初は懸案でもあった左のウイングバックだが、森下の成長でむしろストロングにできているのは大きなことだ。
後半の中谷進之介の追加点も、ショートコーナーから逆サイドに稲垣祥を走らせ、頭での折り返しを中央で中谷が押し込んでいる、デザインされたもの。セットプレーでの稲垣と言えば、セカンドボールの狙撃手として警戒されることが多い部分を逆手に取るような構造は、コーチ陣もしてやったりの一撃だったに違いない。
前節でのゴールですっかり調子を取り戻したマテウスのボールも質が高く、今後の名古屋はセットプレーでの得点増も期待されるところ。次週からの上位直接対決でも、それは不可欠の武器となる。
【動画】名古屋、森下の先制弾&美しきセットプレー弾!