[ルヴァン杯・第２節] 川崎０－０湘南／３月26日／等々力陸上競技場

　公式戦５試合で勝利なし――。

　ルヴァンカップのグループステージ第２節で湘南とホームで対戦した川崎は、序盤から再三にわたりチャンスを作るも、フィニッシュの精度を欠き、最後まで得点を奪えず。試合はスコアレスドローで決着した。

　今季の川崎の課題は、決定力不足だけでなく、ビルドアップにもある。相手に前からプレッシャーをかけられると、自陣での不用意なパスミスや、囲まれて簡単にボールを奪われて、ショートカウンターを受ける場面が多く見られる。

　それは今回の湘南戦でも散見された。30分には、CBからバックパスを受けたGK上福元直人に対し、湘南の攻撃陣がプレスをかけてコースを限定。上福元が繰り出した縦パスは味方には通らず、相手にカットされて、シュートまで持ち込まれた。

　ビルドアップに積極的に参加した上福元は、「僕が高い位置を取ることで、裏へのロングパスも出しやすくなりますし、相手のプレスが決まり切らないあいだに、相手の考えの裏を取ろうというのがポイントとしてあった」と狙いを説明。「ただ…」と続け、次のように語った。
 

「（パスを）なんとなく僕に下げるんじゃなくて、相手が嫌がるような選択ができないといけない。自分を使うタイミングとか、センターバックの２人も含めて周囲の状況をもっと見て、自分を使うふりをして前に進むとか、そういった部分はもっとできたと思うし、課題に感じた部分もありました」

　試合後にはSBの選手ともコミュニケーションを取り、「もっとシンプルにセンターバックから前に進めるシーンも何度かあったんじゃないか、という話もしました」と明かした。

　新加入の上福元は、今季ここまでリーグ戦で出番はなく、ルヴァンカップ２試合の出場のみに留まっている。出場機会が限られているからこそ、「勝点３を何が何でも取って貢献するという覚悟で臨んだんですけど、結果は引き分けに終わって、個人的にもすごく悔しい」と唇を噛んだ。

　東京V、徳島、京都など、渡り歩いたそれぞれのクラブでしっかりと結果を出してきた33歳のGKは、「もっとチームを勝たせられる働きができるように、次に出場のチャンスが来た時にぶつけていきたい」と闘志を燃やした。

取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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