果たして、三笘薫の好パートナーは誰か。日本代表が臨むウルグアイ戦（３月24日）、コロンビア戦（３月28日）での注目ポイントのひとつがそれだろう。今季、プレミアリーグのブライトンで活躍する彼は今や日本のエースと呼ぶに相応しい存在だ。そんな三笘が左サイドの高いポジションを任された場合、このアタッカーの持ち味を引き出すサイドバックとして期待されているひとりがバングーナガンデ佳史扶（以下、カシーフ）だ。

　2001年９月24日生まれのカシーフはFC東京の下部組織出身で、ドリブル突破が売りの攻撃的サイドバックだ。昨季のFC東京では小川諒也が夏に海外移籍（ポルトガルのギマラエスへ）すると、スタメンに定着。今季も開幕から左サイドバックのレギュラーとしてここまで存在感を示し、この３月シリーズで日本代表に初招集された。本人曰く、持ち味は「アグレッシブさ、推進力、クロス」であり、三笘を援護射撃できそうな能力も期待感もある。

　2023年３月20日の代表練習を「いい雰囲気の中、（チームメイトと）コミュニケーションを取れたので楽しくできました」と振り返ったカシーフは、「呼ばれたからにはガツガツやっていきたい」と意欲も見せ、「ポジションを奪うつもりでやっていきたい」と宣言。例えば代表戦で三笘などと素晴らしいコンビネーションを披露できれば、一躍、左サイドバックの重要戦力になれるかもしれない。
 

　本人もそれを理解しているから気合いが入っているのだろう。自身に出場資格のあった2021年のU -20ワールドカップはコロナ禍の影響で中止となり、同年10月には右膝外側半月板損傷（約６か月離脱）というアクシデントに見舞われた。こうした苦しみを乗り越えて掴んだ日本代表の座をそう簡単に手放すわけにはいかない。A代表経由のパリ五輪を実現するためにも、ここで結果を出す必要がある。

　A代表初招集でいきなり活躍するのは至難の業だろう。ただそれでも、無限のポテンシャルを秘めるカシーフならやってくれそうな期待がある。足もとの優れた技術を活かし、“ガツガツ”と攻撃の局面で顔を出せれば「カシーフ」の名は国内のみならず国外にも広まる可能性がある。

「サイドでのアグレッシブなプレーは誰にも負けたくないですし、そこを見て呼んでもらったはずなので思う存分発揮したいです」

　仮に三笘と同じピッチに立った場合、彼に遠慮することなく、それこそガツガツとプレーしてほしい。失敗を恐れず、前へ。失うものは何もない。

構成●サッカーダイジェストTV編集部


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