現チームにおけるディフェンス能力が別格だと証明したワンシーンは…
[J1リーグ2節]柏1-1FC東京/2月26日/三協フロンテア柏スタジアム
シュート本数はFC東京の15本に対して柏レイソルが3本。ほとんどの時間帯で劣勢を強いられた一戦で先制ゴールを奪えたのは、アンカーでフル出場した高嶺朋樹の貢献が大きかったからだろう。
立ち上がりからFC東京に押し込まれた柏は、ボール奪取後は個々のオフ・ザ・ボールの動きが乏しく攻め手に欠いた。それでも高嶺がワンプレーでゲームの流れを引き寄せる。20分、古賀太陽からボールを受け、鋭いターンからの持ち運びでプレッシャーをかけてきた相手をかわし、山田康太へ縦パスを供給。リターンパスをもらうと、今度は小屋松知哉へサイドチェンジを送った。この一連のプレーで敵陣に侵入してからは、チームの攻撃にリズムが生まれた。
試合の流れが優勢に傾けばカウンターを受けるリスクも生まれるが、高嶺は守備も素晴らしかった。23分、右サイドで勢いよくドリブルを仕掛けてくるアダイウトンに対応。横に揺さぶられながらも粘り強い対応で見事に食い止めた。昨季までの柏なら、似たような場面で苦手とする助っ人に豪快に突破されたこともあっただけに、現チームにおけるディフェンス能力が別格だと証明したワンシーンだった。
もちろん味方との連係があってこそだが、20分のターン→持ち運びからのサイドチェンジと、23分のボール奪取は、ほぼひとりで試合の流れを引き寄せた好プレーだった。直後の25分にマテウス・サヴィオのアシストから細谷真大が先制点をマークできたのは、高嶺の貢献が大きいとも言えるだろう。CBの古賀も次のように絶賛する。
「危機察知能力が高く、相手を潰さなければいけないポイントに、まずいてくれるのはすごく助かるポイントです。フィジカルコンタクトでも負けないですし、最終ラインの前にそういう選手がいてくれるのは僕らとしてはすごくやりやすい。カバーする準備の時間をより与えてくれる選手です。彼の存在はすごくありがたい」
シュート本数はFC東京の15本に対して柏レイソルが3本。ほとんどの時間帯で劣勢を強いられた一戦で先制ゴールを奪えたのは、アンカーでフル出場した高嶺朋樹の貢献が大きかったからだろう。
立ち上がりからFC東京に押し込まれた柏は、ボール奪取後は個々のオフ・ザ・ボールの動きが乏しく攻め手に欠いた。それでも高嶺がワンプレーでゲームの流れを引き寄せる。20分、古賀太陽からボールを受け、鋭いターンからの持ち運びでプレッシャーをかけてきた相手をかわし、山田康太へ縦パスを供給。リターンパスをもらうと、今度は小屋松知哉へサイドチェンジを送った。この一連のプレーで敵陣に侵入してからは、チームの攻撃にリズムが生まれた。
試合の流れが優勢に傾けばカウンターを受けるリスクも生まれるが、高嶺は守備も素晴らしかった。23分、右サイドで勢いよくドリブルを仕掛けてくるアダイウトンに対応。横に揺さぶられながらも粘り強い対応で見事に食い止めた。昨季までの柏なら、似たような場面で苦手とする助っ人に豪快に突破されたこともあっただけに、現チームにおけるディフェンス能力が別格だと証明したワンシーンだった。
もちろん味方との連係があってこそだが、20分のターン→持ち運びからのサイドチェンジと、23分のボール奪取は、ほぼひとりで試合の流れを引き寄せた好プレーだった。直後の25分にマテウス・サヴィオのアシストから細谷真大が先制点をマークできたのは、高嶺の貢献が大きいとも言えるだろう。CBの古賀も次のように絶賛する。
「危機察知能力が高く、相手を潰さなければいけないポイントに、まずいてくれるのはすごく助かるポイントです。フィジカルコンタクトでも負けないですし、最終ラインの前にそういう選手がいてくれるのは僕らとしてはすごくやりやすい。カバーする準備の時間をより与えてくれる選手です。彼の存在はすごくありがたい」
柏加入直後の新体制会見での取材を思い出す。北海道コンサドーレ札幌では3バックの一角とボランチでプレーした高嶺に、新天地での希望ポジションを聞いた。即答で、語気も強かった。
「もちろんボランチです。自分の身長が例えば185センチとかあって、後ろの選手としても戦っていけるならどっちでも構わないです。でも、もっと先の日本代表入りを考えた時に、自分が生き残って本当に勝負できるのはボランチ」
FC東京戦における高嶺のパフォーマンスは、ボランチにこだわる理由も頷ける出来だった。ボール保持者に寄せるプレッシャーのスピードも、トラップ際を狙うボール奪取のセンスも、Jリーグのなかでは頭ひとつ抜けたレベルだと個人的には思う。
高嶺が目ざす日本代表入りを果たすには、例えばピンチにつながった60分のパスミスなどは改善の必要があるだろう。ただ、ビルドアップやボール奪取力のポテンシャルは間違いなく、今後の伸び次第ではいずれA代表入りの可能性もあるプレーヤーではないだろうか。試合の流れを引き寄せてチームの結果に貢献していけば、目標達成の明るい未来も見えてくるかもしれない。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
【PHOTO】柏の出場14選手&監督の採点・寸評。MOMは細谷。鋭い動き出しからスピーディなフィニッシュまでパーフェクトだった
「もちろんボランチです。自分の身長が例えば185センチとかあって、後ろの選手としても戦っていけるならどっちでも構わないです。でも、もっと先の日本代表入りを考えた時に、自分が生き残って本当に勝負できるのはボランチ」
FC東京戦における高嶺のパフォーマンスは、ボランチにこだわる理由も頷ける出来だった。ボール保持者に寄せるプレッシャーのスピードも、トラップ際を狙うボール奪取のセンスも、Jリーグのなかでは頭ひとつ抜けたレベルだと個人的には思う。
高嶺が目ざす日本代表入りを果たすには、例えばピンチにつながった60分のパスミスなどは改善の必要があるだろう。ただ、ビルドアップやボール奪取力のポテンシャルは間違いなく、今後の伸び次第ではいずれA代表入りの可能性もあるプレーヤーではないだろうか。試合の流れを引き寄せてチームの結果に貢献していけば、目標達成の明るい未来も見えてくるかもしれない。
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
【PHOTO】柏の出場14選手&監督の採点・寸評。MOMは細谷。鋭い動き出しからスピーディなフィニッシュまでパーフェクトだった