【現地レポート】パリ同時多発テロ事件――EURO2016開催に向けて募る不安

カテゴリ:ワールド

増田有

2015年11月14日

スタジアム内に大きな爆発音が二度響く…。

フランス対ドイツの試合中、スタッド・ドゥ・フランス近隣の飲食店で2人のテロリストによる自爆テロが発生した。(C)Getty Images

画像を見る

 11月13日、パリ近郊サンドニのスタッド・ドゥ・フランスで開催されたフランス対ドイツの親善試合は、2-0でホームチームが勝利した。
 
 前半終了間際のオリビエ・ジルーによる先制点、そのジルーに代わって途中出場したアンドレ=ピエール・ジニャクの86分のゴールにより、EURO2016開催国がブラジル・ワールドカップ王者との一戦を制した。
 
 しかし、この夜スタジアムに詰め掛けたレ・ブルーのサポーターに、チームの勝利を祝う雰囲気はまったくなかった。スタジアムの外側で、思いもよらぬ事件が起きていたからだ。
 
 前半16分と19分、スタジアム内に大きな爆発音が二度響く。当初、原因は不明とされたが、スタジアム近隣の飲食店で2人のテロリストによる“自爆攻撃”があったことが、やがて判明する。
 
 さらに、時を同じくしてパリ中心部の複数の飲食店でも銃撃事件が発生。有名コンサートホールの『バタクラン劇場』では、武装したテロリストが大勢の観客を人質に立て篭もり、多数の死者が出たという情報が駆け巡った。
 
 この事態を受けて、スタッド・ドゥ・フランスで試合を観戦中だったフランソワ・オランド大統領はすぐに会場を抜け出した。そして大統領府で緊急記者会見に臨むと、国家非常事態宣言と国境の封鎖を発表したのだ。
 
 テロ当日に犯行声明はなかったが、翌日になってイスラム過激派テロ組織『IS』がインターネット上に犯行声明を投稿。「爆発物のベルトを身に着け、アサルトライフルを持った8人の兄弟たちが、十字軍フランスに聖なる攻撃をした」などと綴った。
 
 もともと、当初からオランド大統領をはじめとする政府首脳は『IS』による犯行と断定していた。当局はフランス軍が今年9月から開始したシリア空爆への報復との見方を強めている。

試合後、観客は安全確認ができるまでスタジアム内で足止め。一時的にピッチに避難した。(C)Getty Images

画像を見る

【関連記事】
伝統の一戦は手負いのアルゼンチンが宿敵ブラジル相手に痛いドロー――アルゼンチン 1-1 ブラジル
【現地コラム】スポットライトと無縁な「リーガ最高のパサー」
【プレミア現地コラム】「リオの後継者」がいよいよ本領を発揮か!?
“ラーム後遺症”に悩まされるドイツ代表。右SBの定位置を掴むのは誰だ!?
【ワールドサッカー注目コメント集】イブラヒモビッチがEUROプレーオフに向けて“俺様モード”で意気込む! ショウクロスはD・コスタにSNSで反撃

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ