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なぜ南野拓実はファーストタッチで得点に絡めたのか。「サッカーって感覚的なところがある」無心で自分らしさを体現【W杯】

カテゴリ:日本代表

元川悦子

2022年11月26日

三笘のパスに反応し、左足を振る

ドイツ戦は途中出場で同点弾を演出した南野。コスタリカ戦は先発なるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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 森保ジャパンの4年4か月の集大成となった11月23日のカタール・ワールドカップ(W杯)初戦・ドイツ戦。前半は開始早々の前田大然(セルティック)の一撃がオフサイド判定で取り消され、ラストの彼のバックヘッドが枠を越えた以外、日本は全くと言っていいほどシュートを打てなかった。

 ボール支配率は8対2と圧倒され、一時はGK権田修一(清水)を含めた9人が自陣ペナルティエリア内に入って必死に守る状態。31分に権田がダビド・ラウム(ライプツィヒ)に与えたPKは微妙な判定であったが、イルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・C)に決められた1点のみに抑えたのは、むしろ御の字だったと言えるかもしれない。

「1点入れられた時、(南野)拓実(モナコ)と(堂安)律(フライブルク)と一緒に座ってましたけど、『0-1ならイケる』と3人で話していた」と浅野拓磨(ボーフム)が打ち明けたが、背番号10は重要な初戦でスタメン出場できない悔しさを噛みしめつつ、「ここ一番で結果を出す」とギラギラした感情を胸に秘めていた。

 迎えた後半。森保監督の3バック変更という大胆采配が奏功し、日本は徐々にドイツを押し込んでいく。70~71分の権田の“4連続神セーブ”、直後の堂安の投入で一気に流れを引き寄せる。

 さらに75分、南野も満を持してピッチへ。酒井宏樹と交代して陣取ったポジションは3-4-2-1の左シャドー。リバプール時代にはしばしばトップで起用され、今季のモナコでも何度かトップ下に入るなど、中央寄りの位置でプレーした経験がプラスに働いたのか、彼にはゴールへの道筋が明確に描けていたのだろう。
 
 それが直後に結実する。左ウイングバックの三笘薫(ブライトン)がスルスルとドリブルで持ち上がり、ニクラス・ジューレ(ドルトムント)とレオン・ゴレツカ(バイエルン)が寄せてきた瞬間、背後に生まれたギャップを見逃さずに縦パスを入れた。

 これにペナルティエリア内で反応した南野が、角度のないところから左足を振る。ドイツ守護神マヌエル・ノイアー(バイエルン)が弾き、目の前に詰めていた堂安がリバウンドを押し込んだのだ。

「薫がボールを持ったら何か起こしてくれるというのは感じてたし、ホント、最高のタイミングでパスをくれたんで。でも中の状況は見てなくて、速いシュート性のボールを打てば、GKが弾いて何か起きるだろうと。そう信じて振り抜いて、律がしっかり決めてくれました」と南野は登場直後のファーストタッチで同点弾を演出するという値千金のプレーをこう振り返っていた。

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