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なぜ堂安はフリーになれたのか。逆転勝ちのドイツ戦、75分の同点シーンに見る連動のビジョン【W杯】

カテゴリ:日本代表

河治良幸

2022年11月25日

南野はファーストタッチで大仕事

チームを勢いづかせた堂安(8番)の同点弾。複数人が連動した見事なゴールだった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

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[カタール・ワールドカップ・グループステージ第1戦]日本 2-1 ドイツ/11月23日/ハリファ・インターナショナル・スタジアム

 ドイツ戦で日本に勝利をもたらしたのは、浅野拓磨のスーパーゴールだが、同点に追いついた75分の堂安律のゴールも、歓喜の勝利を手繰り寄せるトリガーになった。

 三笘薫の鋭い左からのカットイン→スルーパスに、エリア内の左脇を抜けた南野拓実がノートラップでシュート性のクロスを放った。

「シュート性の、でもどっちやったか自分もあんまり覚えてない、たぶんクロス……まあ、どっちでも、みたいな。たぶん誰かが走ってるやろ、あそこには、っていうのは感じてた」

 そう振り返る南野のイメージ通り、浅野がファー、堂安がセンターに走り込んでいた。ボールはドイツの守護神マヌエル・ノイアーに弾かれるが、手前にこぼれてきたところを堂安が左足で捉えて流し込んだ。

 1点ビハインドで迎えた後半、森保一監督はDFの冨安健洋を入れて3バック(見方によっては5バック)にすると、高い位置からドイツのビルドアップをハメて攻勢をかけた。さらに三笘を左ウイングバックに、堂安をシャドーに入れて、伊東純也を右ウイングバックに。

 GK権田修一の連続セーブに救われる危機もあったが、森保監督は南野を入れて鎌田大地を2列目からボランチに下げる超攻撃的な布陣で、1点リードしているドイツに前から襲い掛かる。その直後。つまり南野にとってはファーストタッチが先述のシュートだった。このシーンを流れから解析すると、日本の攻撃面のビジョンが見えてくる。
 
 この局面の1つ前に、右からの攻撃があった。右センターバックの板倉滉からパスを受けた伊東が、対面するダビド・ラウムを外して中にドリブルするが、行く手を阻んだボランチのレオン・ゴレツカと交錯してボールを失う。こぼれ球をセンターバックのニコ・シュロッターベックが処理し損ねて、伊東が回収に成功した。

 そこから遠藤航、鎌田、吉田麻也でトライアングルのパスを回すことで、ドイツの守備が中央に集まる。吉田から左ワイドでボールを受けた冨安の縦パスを、左サイドでフリーになった三笘が収める。

 前を向いてボールを持つ三笘は、右サイドバックのニクラス・ジューレが遅れて対応してきたところで、ドリブルで縦に行くモーションから、素早く右足のアウトで中に入ってジューレを外し、タイミングよく裏抜けする南野にスルーパスを通した。

「最初のジューレ選手の対応を見て、縦を警戒するのは分かってたので。次も縦を切ってましたし、中に食いついてくる瞬間にギャップができた。そこを(南野)拓実君が素晴らしい動きをしてくれた」

 三笘がそう振り返るように、左で縦に仕掛けた時にジューレがそれを嫌がり、直前に2人がマッチアップした局面で、ジューレは完全に縦を切るポジショニングだった。それが三笘にとってはジューレに対する良いすり込みになった。

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