「1回1回のキャンプをより良いものに」
U-20女子ワールドカップで日本を2大会連続で決勝に導き、現在はU-20日本女子代表となでしこジャパンを兼任する池田太監督。“熱男”と言われる情熱と、用意周到な策士の両面を持つ52歳の指揮官に、今後のチーム強化と、なでしこジャパンが世界一に返り咲くために必要なことを訊いた。[編集部・注/インタビューは9月15日に実施]
※本記事は2022年10月13日発売のサッカーダイジェスト本誌から転載。一部修正。
――◆――◆――
日本は11年の女子ワールドカップ、14年のU-17女子ワールドカップ、18年のU-20女子ワールドカップの3階級制覇を成し遂げた唯一の国。そして現在のなでしこジャパンは、それぞれ11年の熊谷紗希や岩渕真奈、14年の杉田妃和、長野風花、長谷川唯、18年の南萌華、宮澤ひなた、林穂之香と、世界を制したメンバーを多数抱えている。
大舞台での勝ち方を知る指揮官は、世界一を知る選手たちを、なでしこジャパンとしてどうまとめていくのか。
「それぞれ良い経験を重ねてきた選手たちです。自分たちのいろいろなサッカー観があるなかで、どういったサッカーを目ざしていくのか、はっきり分かりやすく、同じ方向を向いてプレーできるような環境を作っていきたい。選手たちが迷いなくプレーするためにも、プレーの細かい部分から上手く共有できればと考えています」
※本記事は2022年10月13日発売のサッカーダイジェスト本誌から転載。一部修正。
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日本は11年の女子ワールドカップ、14年のU-17女子ワールドカップ、18年のU-20女子ワールドカップの3階級制覇を成し遂げた唯一の国。そして現在のなでしこジャパンは、それぞれ11年の熊谷紗希や岩渕真奈、14年の杉田妃和、長野風花、長谷川唯、18年の南萌華、宮澤ひなた、林穂之香と、世界を制したメンバーを多数抱えている。
大舞台での勝ち方を知る指揮官は、世界一を知る選手たちを、なでしこジャパンとしてどうまとめていくのか。
「それぞれ良い経験を重ねてきた選手たちです。自分たちのいろいろなサッカー観があるなかで、どういったサッカーを目ざしていくのか、はっきり分かりやすく、同じ方向を向いてプレーできるような環境を作っていきたい。選手たちが迷いなくプレーするためにも、プレーの細かい部分から上手く共有できればと考えています」
そんなビジョンは、なでしこジャパンの監督就任会見時に掲げた「奪う」というテーマにも込められている。
「“奪う”は、ゴールを奪うためにまずはボールを積極的に奪いに行こう、自分たちが主体性を持ってアグレッシブに戦っていこうというメッセージのひとつでした」
国内合宿を頻繁に行ない、直前のトレーニング期間も十分に設けることができる育成年代と、A代表ではチーム作りの方法も大きく異なる。
「(なでしこジャパンでは)集まるのは国際親善試合がメイン。メンバーも世界各国から集まってくるので、揃う期間が限られます。何をどのタイミングで伝えたら良いのか。新しいことにトライするのはどのタイミングか。例えば選手の組み合わせをどこで試すか、配置や布陣を変えてみるなど、いろんなことを考えています」
では、なでしこジャパンが11年以来の世界一に返り咲くには何が必要なのか?
「何かひとつというのは難しいですよね。チーム力もそうですし、そのためには一人ひとりの技術も必要です。経験値もそう。限られた時間のなかで積み上げていくのは本当に難しい作業で、だからこそ1回1回のキャンプを本当により良いものにしなければいけないです」
11年以降、世代別代表では成果を残せている一方で、A代表では世界との差が広がっている印象もある。19年のフランス・ワールドカップと21年の東京五輪ではいずれも決勝トーナメント1回戦で敗退している。
「現時点では世界のトップまではまだ距離があるなかで、2023年の7月(ワールドカップ時)までにそれをどこまで縮めていけるのか。また大会期間中にどれだけいろんなアクションを起こして、頂点を目ざせるか」が大会を勝ち進むためのテーマだという。
もちろん、今後、盛り返していける可能性は否定しない。
「取り組みひとつで順位が変わってしまうような、良い意味でポジティブな面もあるし、ここで足踏みしていたら(世界と)離されてしまう危機感もある」と、気を引き締める。
「“奪う”は、ゴールを奪うためにまずはボールを積極的に奪いに行こう、自分たちが主体性を持ってアグレッシブに戦っていこうというメッセージのひとつでした」
国内合宿を頻繁に行ない、直前のトレーニング期間も十分に設けることができる育成年代と、A代表ではチーム作りの方法も大きく異なる。
「(なでしこジャパンでは)集まるのは国際親善試合がメイン。メンバーも世界各国から集まってくるので、揃う期間が限られます。何をどのタイミングで伝えたら良いのか。新しいことにトライするのはどのタイミングか。例えば選手の組み合わせをどこで試すか、配置や布陣を変えてみるなど、いろんなことを考えています」
では、なでしこジャパンが11年以来の世界一に返り咲くには何が必要なのか?
「何かひとつというのは難しいですよね。チーム力もそうですし、そのためには一人ひとりの技術も必要です。経験値もそう。限られた時間のなかで積み上げていくのは本当に難しい作業で、だからこそ1回1回のキャンプを本当により良いものにしなければいけないです」
11年以降、世代別代表では成果を残せている一方で、A代表では世界との差が広がっている印象もある。19年のフランス・ワールドカップと21年の東京五輪ではいずれも決勝トーナメント1回戦で敗退している。
「現時点では世界のトップまではまだ距離があるなかで、2023年の7月(ワールドカップ時)までにそれをどこまで縮めていけるのか。また大会期間中にどれだけいろんなアクションを起こして、頂点を目ざせるか」が大会を勝ち進むためのテーマだという。
もちろん、今後、盛り返していける可能性は否定しない。
「取り組みひとつで順位が変わってしまうような、良い意味でポジティブな面もあるし、ここで足踏みしていたら(世界と)離されてしまう危機感もある」と、気を引き締める。