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「全員戦力」で成し遂げたJ2優勝。揺るぎない土台を築いた新潟の“追求と進化”は続いていく

カテゴリ:Jリーグ

野本桂子

2022年10月17日

2020年、ポジショナルプレーへの転換を決断

40節・仙台戦の勝利で6年ぶりのJ1復帰を果たした新潟。選手個々の持ち味が交ざり合って生まれる多彩な攻撃でJ2を席巻した。写真:滝川敏之

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 アルビレックス新潟がJ2優勝を決めた。

 10月15日の第41節で東京ヴェルディと敵地で対戦し、0-1で敗れたものの、翌日に2位横浜FCがツエーゲン金沢に敗戦。この結果、最終節を残して横浜FCとの勝点差は「4」のままで、この時点で新潟の優勝が確定した。

 すでに前節で6年ぶりのJ1復帰を果たしているオレンジ軍団が、悲願を叶えるまでの軌跡をたどる。

――◆――◆――

 10月8日、超満員のデンカビッグスワンスタジアムが歓喜に満ち溢れた。40節のベガルタ仙台戦に3-0で勝利し、J1昇格が決まったのだ。そこまでの歩みも見事で、17節以降、一度も自動昇格圏から外れることなく、安定した戦いぶりを続けた。

 ボール支配率はリーグで最も高い60.0%(Jスタッツより)。得点数はリーグ最多の71で、失点数はリーグで2番目に少ない34。得失点差+37は、3位のファジアーノ岡山の+21をはるかに上回っている。敵陣で主導権を握り、立ち位置で相手を惑わせ、選手個々の持ち味が交ざり合って生まれる多彩な攻撃でJ2を席巻した(編集部・注/データはいずれも41節終了時)。

 堅守速攻から、ポジショナルプレーへ。クラブが現在のスタイルへの転換を決断したのは、J2での3シーズン目を迎えた2020年のことだ。J1を戦っていた16年から4年連続でシーズン途中の監督交代が行なわれ、積み上げができない状況が続いていた。
 
 また経営面でも、若手育成への注力がクラブを存続させるうえで重要であると考え、バルセロナの育成部門で長く要職を務めた経験を持つアルベル氏(現・FC東京監督)を監督に迎えた。

 育成に長ける指揮官のもと、プロ2年目の本間至恩はプレーの幅を広げて7ゴール・7アシストとブレイク。また、ボールを握り、味方同士がコンパクトな距離で敵陣に攻め込むスタイルは対戦相手を困らせ、サポーターを楽しませた。

 だが、この年はコロナ禍による約4か月のリーグ中断の影響で終盤が異例の連戦となり怪我人が続出。最後の4戦を全敗し、11位でシーズンを終えた。

 決して満足な結果ではなかったが、どんな時でもスタイルを貫き続けた監督のもとで、チームは確実に成長を遂げた。毎日の練習で繰り返されるロンドは、1年後には速度・精度ともに劇的に上達していた。

 その様子を見た寺川能人強化部長は「毎日同じことを続けると、こんなにも上手くなるんだ」と継続の効果を実感。また、新卒選手を「新潟のサッカーがやりたいから」との理由で獲得できたことも踏まえ、この方向性で進むことへの手応えを確信。アルベル監督の続投を決意した。

 アルベル体制2年目の昨季は、主力の流出を抑えたなかで、新潟のスタイルに合う選手を獲得した。重視したのは“適応力”。Jでのプレー経験がある選手などに的を絞って獲得候補を探した結果、外国籍選手の補強は行なわず、日本人選手9名を迎えてスタートした。

 すると、これが奏功。選手間の意思疎通がスムーズになり、新加入選手もキャンプの間に苦労なくフィットした。なかでも相手のプレスをかわしながらハーフラインまで運べる千葉和彦の加入でビルドアップがより円滑に。

 前線の選手がパスを受けに降りる必要がなくなり、フィニッシュに専念できるようになった。良い準備は即座に効果を発揮し、開幕から5連勝、13試合負けなしで首位を独走。“アルベル新潟”は一躍注目を浴びた。
 
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