王国の代表チームを率いる者として、貶められるような発言は受け入れがたかったのだろう。
パリ・サンジェルマンのフランス代表キリアン・エムバペが以前発言した内容に、ブラジル代表のチッチ監督は気分を害したようだ。米スポーツチャンネル『ESPN』によると、同監督は南米のレベルは欧州に劣っていないと主張した。
エムバペは5月、「アルゼンチンとブラジルは南米でハイレベルな競争をしていない。南米のサッカーは欧州ほど進んでおらず、だからこそ直近のワールドカップ優勝チームは欧州勢なんだ」と述べている。
この発言について、チッチ監督は8月16日、『ESPN Brazil』ブラジルのインタビューで「彼が言っているのはネーションズリーグや親善試合であって、ワールドカップ予選ではないだろう」と話した。
「失礼ながら、我々はアゼルバイジャンと対戦したりすることがない。休ませてくれる相手はいない。ここの予選は(欧州予選の)グループよりもずっと難度が高い」
「どれだけ予選を突破するのが難しいか」
ESPNは、欧州をよく知るリオネル・メッシが、アルゼンチン『TyC Sports』で「スペインでそのことは何度も話してきた」と、南米サッカーが劣っていないことを強調したことを伝えている。
「高地や暑さなど、経験しなければ、どれだけ(南米)予選を突破するのが難しいかは分からない」
エムバペの発言が伝えられた際、元ウルグアイ代表FWセバスティアン・アブレウは、フランスの若きエースにもっと「ウィキペディアで検索」するようにと反論した。
日本と韓国で共催され、ブラジルが制した2002年大会を最後に、ワールドカップで南米勢が優勝していないのは事実だ。2006年大会以降は、いずれも欧州勢が戴冠してきた。エムバペ発言がさらなるスパイスとなり、南米勢はカタール大会で流れを変えることができるだろうか。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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