［インターハイ３回戦］履正社１(4PK5)１湘南工科大附／７月26日（火）／徳島スポーツビレッジピッチＣ

「すごい頼もしいなコイツらと思いました」

　そう指揮官が激賞する守備陣の働きもあり、湘南工科大附（神奈川）が履正社（大阪）を下し、ベスト８への切符を手にした。

　湘南工科大附は1990年に現在の校名に変更。それまでは相模工大附という校名で、コアなサッカーファンであれば聞き馴染みがあるかもしれない。かつて、選手権とインターハイでベスト４に進出した歴史があり、元日本代表の奥寺康彦氏や福田正博氏らを輩出した伝統校だ。

　その名門が校名変更後、初の全国の舞台で快進撃を見せている。初戦で九州国際大付（福岡）に４－０の完勝を飾り、３回戦ではプレミアリーグWESTで戦う大阪の強豪・履正社と対戦。立ち上がりから相手の攻勢を受けたなか、鋭いドリブルを武器とする今大会の注目株、名願斗哉（３年）に対しても、守備陣が素早く寄せて自由を与えなかった。

　粘り強く守り抜くと、前半18分に相手の一瞬の隙を突いた大木啓汰（３年）の２試合連続ゴールで先制。後半23分にゴール前のこぼれ球を押し込まれ同点とされたが、１－１で突入したPK戦を５－４で制し、３回戦突破を果たした。
 

　DF陣の働きには室井雅志監督も満足した様子で、「あの強力なFWにうちのCBが挑んでいたことに、もうすごいなと思いました。あれはびびりましたね」と称賛。試合中、チームメイトの名前をしきりに連呼して鼓舞し続け、自身も身体を張った守備と対人の強さで勝利に貢献したCBの三浦翔遼人（３年）は次のように試合を振り返った。

「プレミアで戦う相手に対して、自分たちはスター選手がいないので、チーム一丸となって戦いました。そういう強い選手にも１対１で勝たないと始まらないですし、１回やられたぐらいで止めていたら勝負にはならないと思います。こういう精神力があれば勝てると思うので、これからも逃げずにやっていきたいです」

　次戦、７月28日に行なわれる準々決勝の相手は、前回大会準優勝の米子北（鳥取）。全国レベルの強敵相手にも臆することなく戦う、強いメンタリティを持つ湘南工科大附がどこまで勝ち星を積み上げられるか、注目だ。

取材・文●手塚集斗（サッカーダイジェストWeb編集部）

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