ミドルシュートが少ないのは「崩す」意識で縛られているから?
ボール支配率73.9パーセント、放ったシュートは34本。
終始、カンボジアを圧倒しながら、日本は3点しか決められなかった。日本のシュートはなぜ決まらないのか、私は記者席で、そればかり考えていた。
【PHOTO】日本 3-0 カンボジア
3点中2点は、ペナルティエリア外からのシュートによって生まれた。
ワンステップで撃ち抜いた本田の無回転シュート、後方から走り込み、左隅に突き刺した吉田のシュートを見ると、ゴール前を固められた中で得点するには遠目からのシュートが有効だということが改めてわかる。
だが、この2本を除いて有効なミドルシュートは少なかった。
ミドルシュートが少ないのは、選手たちの意識が崩すことで縛られているからだろう。
「崩す」という言葉は日本代表のみならず、Jリーグの現場でよく耳にする。「ゴールは決められなかったが、何度も相手を崩した」と言ったりするが、こういうのは崩すことが目的化している。
7、8人がペナルティエリアを固めるカンボジアの守備は、そう簡単には崩せない。崩せないものを、無理に崩そうとする必要はない。遠めから狙えばいいだけだ。だが発想に柔軟性がない、言い換えればまじめな日本の選手は密集地帯へと突っ込んでいく。
だが、これは選手だけの問題ではない。パスで崩すのがいいサッカーだという考えが、日本には蔓延しているからだ。
サッカーはゴール数を競うスポーツであり、フィニッシュの形を競うものではない。きれいに崩しても1点は1点だ。
もちろん、本田と吉田のゴール以外にもミドルシュートはあった。例えば山口は4本のミドルを放っている。だが、枠を捉えることはなかった。力のないシュートがバーを越えていく。
遠めから狙う発想が希薄な日本の選手は、パスばかりつなぐので強いキックが上手くない。しっかりと軸足を踏み込んで、ボールに力を与えることができていないからだ。
こうなるとシュートレンジは広がらず、遠目から狙うという発想そのものがなくなっていく。
現役時代の釜本さんは、練習での対人パスでも相手を逆サイドのポストに見立てて、ひたすら強いキックを蹴っていたという。
恵まれた環境でプレーするいまの選手は指導されるのが当たり前。どうしたら強いキックができるのか、狙ったところに蹴ることができるのか、自発的に取り組んだりしないのかもしれない。
終始、カンボジアを圧倒しながら、日本は3点しか決められなかった。日本のシュートはなぜ決まらないのか、私は記者席で、そればかり考えていた。
【PHOTO】日本 3-0 カンボジア
3点中2点は、ペナルティエリア外からのシュートによって生まれた。
ワンステップで撃ち抜いた本田の無回転シュート、後方から走り込み、左隅に突き刺した吉田のシュートを見ると、ゴール前を固められた中で得点するには遠目からのシュートが有効だということが改めてわかる。
だが、この2本を除いて有効なミドルシュートは少なかった。
ミドルシュートが少ないのは、選手たちの意識が崩すことで縛られているからだろう。
「崩す」という言葉は日本代表のみならず、Jリーグの現場でよく耳にする。「ゴールは決められなかったが、何度も相手を崩した」と言ったりするが、こういうのは崩すことが目的化している。
7、8人がペナルティエリアを固めるカンボジアの守備は、そう簡単には崩せない。崩せないものを、無理に崩そうとする必要はない。遠めから狙えばいいだけだ。だが発想に柔軟性がない、言い換えればまじめな日本の選手は密集地帯へと突っ込んでいく。
だが、これは選手だけの問題ではない。パスで崩すのがいいサッカーだという考えが、日本には蔓延しているからだ。
サッカーはゴール数を競うスポーツであり、フィニッシュの形を競うものではない。きれいに崩しても1点は1点だ。
もちろん、本田と吉田のゴール以外にもミドルシュートはあった。例えば山口は4本のミドルを放っている。だが、枠を捉えることはなかった。力のないシュートがバーを越えていく。
遠めから狙う発想が希薄な日本の選手は、パスばかりつなぐので強いキックが上手くない。しっかりと軸足を踏み込んで、ボールに力を与えることができていないからだ。
こうなるとシュートレンジは広がらず、遠目から狙うという発想そのものがなくなっていく。
現役時代の釜本さんは、練習での対人パスでも相手を逆サイドのポストに見立てて、ひたすら強いキックを蹴っていたという。
恵まれた環境でプレーするいまの選手は指導されるのが当たり前。どうしたら強いキックができるのか、狙ったところに蹴ることができるのか、自発的に取り組んだりしないのかもしれない。