６月シリーズと称し４連戦を戦っている森保ジャパンは14日、チュニジア戦（パナソニックスタジアム吹田／18時55分キックオフ）に臨む。

　２日のパラグアイ戦は４－１と勝利し、６日のブラジル戦は０－１と敗れ、10日のガーナ戦は４－１で制した。特徴的なのは選手層を厚くし、オプションを増やす意味でも、「できるだけ多くの選手を使いたい」（森保一監督）との言葉どおり試合ごとにスタメンを入れ替えている点で、チュニジア戦に向けた前日会見でも指揮官はこう語った。

「システム的には大きな変化はないと思いますが、人とという意味ではチームのオプションを増やせるように考えたいです。ガーナ戦から大幅にメンバーを変えたいですし、いろんな組み合わせ、いろんな融合が見られると思います」

　大幅にメンバーを入れ替えるとはいえ、６月シリーズの終盤に入り、離脱者が増えている実情もある。10日のガーナ戦を終えてからは上田綺世の途中離脱が決定し、中山雄太も「右足首を痛めているため、チュニジア戦でプレーできません」と森保監督が明かしている。

　ガーナ戦からスタメンを変えるとなると、右ウイングの伊東純也、左の南野拓実、中盤の鎌田大地、原口元気、田中碧は先発有力だろう。このうちアンカーを務めるのはガーナ戦でも途中からテストされていた田中か。

　CFはパラグアイ戦が浅野拓磨、ブラジル戦が古橋亨梧、ガーナ戦が上田綺世だった。多くの選手を起用し、オプションを増やしたいなら前田大然がチュニジア戦のスタメンに浮上するが、劣勢だったブラジル戦でボールタッチ数が少なかった古橋も、よりコンビネーションの向上を図りたい人材だろう。それに快足の前田はガーナ戦で途中出場から２分後にネットを揺らしたように、切り札としての使い方を磨き上げたほうが得策かもしれない。
 

　最終ラインで気になるのは冨安健洋の状態だ。別メニュー調整を続けていたなか、11日から全体練習に合流したが、それでも森保監督は起用に慎重だ。チュニジア戦の前日会見でこう話している。

「冨安は長期離脱しているなかで今回の代表活動に来てもらい、試合にも出られるかもしれない見通しのあるなかで参加してもらっています。明日の試合に向けては、チームの全体練習には合流しているので、出られる可能性も考えて、今日の練習後にメディカルスタッフ、ドクターと相談したいです。しかし、いきなり国際試合のハイインテンシティのなかで、長期離脱から２、３日の練習でできるかどうかというとリスクになると思いますので、そこは慎重に考えたいです。試合に出られなくても今回の活動に参加してもらって、チームの考え方や現在地を選手たちとコミュニケーションを取りながら把握できたことは、チームにとっても彼にとってもプラスになっています」

　コメントから察するに、冨安は今回、活動に参加させるのみ、もしくは出番があったとしても相当に短い時間ではないか。一方で中山も離脱し、DF陣の枚数は限られている。ガーナ戦で出番がなかった長友佑都、45分ずつの出場となった吉田麻也と板倉滉はチュニジア戦で先発する可能性は高そうだが、残るSBのひと枠は伊藤洋輝か山根視来か。まだプレーを見ておきたいのは、６月シリーズでＡ代表初招集の前者だろう。

　４人体制のGKは「できるだけ多くの選手を使いたい」と森保一監督が語っていたとおり、パラグアイ戦がシュミット・ダニエル、ブラジル戦が権田修一、ガーナ戦が川島永嗣と順々に出場している。残るは若い大迫敬介だ。ここでは彼に経験を積ませる意味でも、大迫の起用を推したい。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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