多くの選手が所属チームで先発から外れていることに懸念を示す。
すべては「日本代表のリストに入ってくるような選手をすべて把握したい」からだ。
8月26日は京都、その前日は千葉にいた。前者ではU-22代表のトレーニングマッチ(対京都)、後者では柏対広州恒大のACL準々決勝第1戦を視察した。相変わらず精力的に現場に足を運んでいるA代表のハリルホジッチ監督だが、柏がACLで1-3と完敗し、手倉森ジャパンがJ2で下位に低迷し、メンバーを大幅に落としたチームに1-2で敗れたのを受け、U-22代表の試合後には日本サッカーに対して危機感を露わにしていた。
【U-22日本代表PHOTO】練習試合 対 京都サンガF.C.
「我々日本としては、多くの疑問を抱かなければいけない。特に国内リーグはなにかをしなければいけないと思います。これは代表監督としての意見ですが、他の監督さん方もそういった視点で見てほしい」
そしてこの眼光鋭い指揮官は、ひとつの予言を口にし、それが“的中しないように”さらなる奮起を促した。
「そうでないと、ちょっと残念なことが起きると思います。みんなが目覚めなければいけない時期に来ている」
試合後には、ハリルホジッチ監督と手倉森監督がじっくりと時間をかけて言葉を交わし合っていた。もっとも、それは意見交換という類のものとは少々趣が異なっていたようにも見えた。身振り手振りを交えたA代表監督が、“弟分”となるチームを率いる指揮官になにかをレクチャーする――。
「もう少し成長のスピードを速めなければいけない、と。(Jリーグの)試合に出ている選手と出ていない選手の違いがはっきり分かるという指摘もされた」(手倉森監督)
ハリルホジッチ監督は、ことさらこの若い年代がJリーグで思うように実戦を重ねられていないことを懸念しているようだ。
「先ほど、スタッフとも話をしましたが、メンバーの多くがJリーグで先発として出ていないということです。そのような状況では、彼らがキャリアをしっかりとしたものにするのは難しいと思います」
先の東アジアカップでは、手倉森ジャパンから遠藤、浅野を引き上げて中国へ赴いたハリルホジッチ監督は、3年後のワールドカップを見据えて、「若い選手たちのことはかなり信頼している」という。もちろん、「A代表に入るには、その資格を見せないといけない」と厳しさは見せつつも、U-22代表に名を連ねる選手たちに対して小さくない期待を寄せている。
「技術的にも、戦術的にも、肉体的にも、まだ伸びる余地はかなりある。何回か合宿を重ねられれば、なにかを成し遂げられるのではないか」
A代表の指揮官を満足させるような選手の成長や台頭がなされた時、手倉森ジャパンはリオ五輪行きにまた一歩近づけるはずだ。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
8月26日は京都、その前日は千葉にいた。前者ではU-22代表のトレーニングマッチ(対京都)、後者では柏対広州恒大のACL準々決勝第1戦を視察した。相変わらず精力的に現場に足を運んでいるA代表のハリルホジッチ監督だが、柏がACLで1-3と完敗し、手倉森ジャパンがJ2で下位に低迷し、メンバーを大幅に落としたチームに1-2で敗れたのを受け、U-22代表の試合後には日本サッカーに対して危機感を露わにしていた。
【U-22日本代表PHOTO】練習試合 対 京都サンガF.C.
「我々日本としては、多くの疑問を抱かなければいけない。特に国内リーグはなにかをしなければいけないと思います。これは代表監督としての意見ですが、他の監督さん方もそういった視点で見てほしい」
そしてこの眼光鋭い指揮官は、ひとつの予言を口にし、それが“的中しないように”さらなる奮起を促した。
「そうでないと、ちょっと残念なことが起きると思います。みんなが目覚めなければいけない時期に来ている」
試合後には、ハリルホジッチ監督と手倉森監督がじっくりと時間をかけて言葉を交わし合っていた。もっとも、それは意見交換という類のものとは少々趣が異なっていたようにも見えた。身振り手振りを交えたA代表監督が、“弟分”となるチームを率いる指揮官になにかをレクチャーする――。
「もう少し成長のスピードを速めなければいけない、と。(Jリーグの)試合に出ている選手と出ていない選手の違いがはっきり分かるという指摘もされた」(手倉森監督)
ハリルホジッチ監督は、ことさらこの若い年代がJリーグで思うように実戦を重ねられていないことを懸念しているようだ。
「先ほど、スタッフとも話をしましたが、メンバーの多くがJリーグで先発として出ていないということです。そのような状況では、彼らがキャリアをしっかりとしたものにするのは難しいと思います」
先の東アジアカップでは、手倉森ジャパンから遠藤、浅野を引き上げて中国へ赴いたハリルホジッチ監督は、3年後のワールドカップを見据えて、「若い選手たちのことはかなり信頼している」という。もちろん、「A代表に入るには、その資格を見せないといけない」と厳しさは見せつつも、U-22代表に名を連ねる選手たちに対して小さくない期待を寄せている。
「技術的にも、戦術的にも、肉体的にも、まだ伸びる余地はかなりある。何回か合宿を重ねられれば、なにかを成し遂げられるのではないか」
A代表の指揮官を満足させるような選手の成長や台頭がなされた時、手倉森ジャパンはリオ五輪行きにまた一歩近づけるはずだ。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)