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高度な組織力と優れた個性が融合した“最強”リバプール。不在だとそのサッカーが滅茶苦茶になる「絶品のテクニックと知性の持ち主」とは?

カテゴリ:ワールド

エル・パイス紙

2022年05月03日

クロップ監督の下で“装飾癖”の改善に成功

ここにきて圧巻のパフォーマンスを見せているのがチアゴ(右端)だ。(C)Getty Images

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 網を張り巡らせるようにプレーする。フットボールにおいて連動性が勝敗を決するというのは本当に違いない。リバプールのプレーを見ていて改めてそう感じる。マイボール時に、11人が相手ゴールに向かって一斉に走り出す。

 ボールを失った時も同様で、今度はボールを保持している相手選手を群れを成すように一斉に囲い込む。四方八方から追われ、完全に犠牲者と化すその選手には同情を禁じ得ない。そのような光景はナショナルジオグラフィック(世界的に人気のドキュメンタリー専門チャンネル)のドキュメンタリー番組でしか見たことがない。

 リバプールの選手たちのエネルギーの源はどこから来るのか。少なくともこの2年間、私は自問自答を繰り返してきた。彼らのハードワークは、長時間、スピード感を持って繰り返し行われる。

 言うまでもなく試合は3日ごとにやって来る。しかし、リバプールは全コンペティションでタイトル獲得の可能性を残しており、それは相手チームとのレベル差の大小に関係なく、この猛烈なハードワークを実践し続けているからに他ならない。

 怪我人が少ない。疲れを知らず、怠ける選手は皆無だ。非常に高度な組織力と優れた個性が融合したリバプールのフットボールは、すべての試合で限界までやり抜くことを可能にする尋常ではないメンタルとフィジカルの強靭さがが全ての土台としてある。

 この目まいを引き起こさせるようなプレーを見せるチームにおいて、あたかも別世界に生きるように、静かに間を作る選手がいる。

【動画】リバプールが圧倒!チアゴが躍動したビジャレアル戦の模様をチェック
 その選手がいなければ、リバプールが掻き鳴らすロックンロールはただの雑音に成り下がり、フットボールが滅茶苦茶になる。絶品のテクニックと戦術的な知性の持ち主。その選手の名前はチアゴ・アルカンタラだ。

 ビジャレアル戦(チャンピオンズリーグ準決勝第1レグ)でのパフォーマンスは圧巻だった。103度プレーし、ボールを失ったのは1度だけ。つまりそれだけプレーに継続性を与えたわけだ。チームメイトが常に居場所を探し、チアゴも常にノーマークで、的確な身体の向きでボールを受けられる準備をしていた証である。

 チアゴがボールに触れば、もうリバプールのペースだ。それだけでパスワークの質が高まり、次のパスの受け手はより良い状態でボールを受けることができる。チアゴのプレーは、バロック絵画のような派手さがあり、時にそれが度を過ぎることがある。

 少なくともわたしはそう思っていたが、ユルゲン・クロップ監督の下では、そうした“装飾癖”を改善することに成功している。リバプールは世界最強の一つだ。選手としての成熟度の高まりが、チアゴをそのトップレベルのチームに欠かせない絶対的な選手に押し上げている。

文●ホルヘ・バルダーノ
翻訳:下村正幸

【著者プロフィール】
ホルヘ・バルダーノ/1955年10月4日、アルゼンチンのロス・パレハス生まれ。現役時代はストライカーとして活躍し、73年にニューウェルズでプロデビューを飾ると、75年にアラベスへ移籍。79~84年までプレーしたサラゴサでの活躍が認められ、84年にはレアル・マドリーへ入団。87年に現役を引退するまでプレーし、ラ・リーガ制覇とUEFAカップ優勝を2度ずつ成し遂げた。75年にデビューを飾ったアルゼンチン代表では、2度のW杯(82年と86年)に出場し、86年のメキシコ大会では優勝に貢献。現役引退後は、テネリフェ、マドリー、バレンシアの監督を歴任。その後はマドリーのSDや副会長を務めた。現在は、『エル・パイス』紙でコラムを執筆しているほか、解説者としても人気を博している。

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙に掲載されたバルダーノ氏のコラムを翻訳配信しています。


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