D・コスタがハンブルクの守備を崩壊させた。
前人未到の4連覇に向け、バイエルンが理想的なスタートを切った。
ホームにハンブルクを迎えた開幕戦で5-0と、注文通りの完勝を収めたのだ。ほぼすべての時間帯を敵陣でプレーするワンサイドゲームを披露しただけでなく、D・コスタが1得点・1アシスト、ビダルがフル出場と両新戦力が奮闘するなど、実り多き一戦となった。
ただし、立ち上がりから盤石の試合運びを見せたわけではない。フィールドプレーヤー全員がボールラインより後ろに下がる、リトリートを徹底してきたハンブルクにスペースを消されて、組み立ての局面でミスが頻発する。
12分にはベナティア、18分にはボアテングがビルドアップに躊躇した挙句にボールを奪われ、危険な位置からのショートカウンターを許しかけた。いずれもファウルで危機を脱したものの、グアルディオラ監督の指示を何度も確認するアラバの姿が、リズムを掴めないもどかしさを象徴していた。
それでも先制点を奪ってしまうのが、王者の王者たる所以か。27分、シャビ・アロンソのFKにベナティアが合わせて、名手アドラーの牙城を破ってみせた。
前半はこの1ゴールに留まったが、後半は一気にギアを上げる。ゴールラッシュの口火を切ったのは敵のクリアミスを逃さずに、53分に訪れた決定機をモノにしたレバンドフスキだが、ハンブルクの守備を崩壊させたのはD・コスタだった。
やや精彩を欠いたロッベンが退いた65分から右ウイングに入ると、水を得た魚のように躍動する。69分には自慢の俊足を飛ばしてタッチラインを割りそうなボールをキープし、最後は左足のアウトサイドクロスでミュラーのゴールをお膳立て。極めつけは87分で、エリア外からシャープな一撃をネットに突き刺した。
力量差の大きいハンブルクが相手だったとはいえ、怪我の多いロッベンとリベリの代役候補として獲得したD・コスタが、むしろこのダブルエースに取って代わるような活躍を見せた意義は大きい。
重箱の隅をつつくなら、ゲッツェのパフォーマンス。チーム3点目の起点となるパスをD・コスタに通したシーンを除けば、途中出場とはいえボールに絡む頻度が少なく、その存在感自体が薄かった。
文:遠藤孝輔
ホームにハンブルクを迎えた開幕戦で5-0と、注文通りの完勝を収めたのだ。ほぼすべての時間帯を敵陣でプレーするワンサイドゲームを披露しただけでなく、D・コスタが1得点・1アシスト、ビダルがフル出場と両新戦力が奮闘するなど、実り多き一戦となった。
ただし、立ち上がりから盤石の試合運びを見せたわけではない。フィールドプレーヤー全員がボールラインより後ろに下がる、リトリートを徹底してきたハンブルクにスペースを消されて、組み立ての局面でミスが頻発する。
12分にはベナティア、18分にはボアテングがビルドアップに躊躇した挙句にボールを奪われ、危険な位置からのショートカウンターを許しかけた。いずれもファウルで危機を脱したものの、グアルディオラ監督の指示を何度も確認するアラバの姿が、リズムを掴めないもどかしさを象徴していた。
それでも先制点を奪ってしまうのが、王者の王者たる所以か。27分、シャビ・アロンソのFKにベナティアが合わせて、名手アドラーの牙城を破ってみせた。
前半はこの1ゴールに留まったが、後半は一気にギアを上げる。ゴールラッシュの口火を切ったのは敵のクリアミスを逃さずに、53分に訪れた決定機をモノにしたレバンドフスキだが、ハンブルクの守備を崩壊させたのはD・コスタだった。
やや精彩を欠いたロッベンが退いた65分から右ウイングに入ると、水を得た魚のように躍動する。69分には自慢の俊足を飛ばしてタッチラインを割りそうなボールをキープし、最後は左足のアウトサイドクロスでミュラーのゴールをお膳立て。極めつけは87分で、エリア外からシャープな一撃をネットに突き刺した。
力量差の大きいハンブルクが相手だったとはいえ、怪我の多いロッベンとリベリの代役候補として獲得したD・コスタが、むしろこのダブルエースに取って代わるような活躍を見せた意義は大きい。
重箱の隅をつつくなら、ゲッツェのパフォーマンス。チーム3点目の起点となるパスをD・コスタに通したシーンを除けば、途中出場とはいえボールに絡む頻度が少なく、その存在感自体が薄かった。
文:遠藤孝輔