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チェイス・アンリはいかにしてシュツットガルト入団を果たしたのか。尚志高での3年間の驚くべき“急成長”をひも解く

カテゴリ:高校・ユース・その他

松尾祐希

2022年04月08日

中学時代は無名の選手。尚志への進学で人生が180度変わった

ブンデスリーガ1部のシュツットガルトがチェイス・アンリの加入を発表。尚志高にて入団内定記者会見が行なわれた。写真:田中研治

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 同級生から遅れること1か月。本当の意味で尚志高から旅立つ日がきた。

 ブンデスリーガ1部のシュツットガルトは4月7日、U-21日本代表のチェイス・アンリを獲得したと発表した。契約は7月1日からの複数年。準備が整い次第渡独し、当面は4部リーグに籍を置くU-21チームでプレーする見込みだ。

 4月8日に行なわれた入団内定記者会見でチェイスは「正直、自分も実感が湧かない(笑)。ここまで来れるとは思っていなかったのでびっくりしています」と現在の心境を明かしつつ、「世界一のCBになって、CLに出て優勝することが目標」と今後の野望を力強く宣言した。

 また、自身の目標についても想いを述べ、「(フィルジル・)ファン・ダイクを超えるCBになりたい。CBだけではなく、自分はFWもやっていたので、どこでもできる選手になりたい想いもある。攻撃参加も持ち味。ファン・ダイクは攻め上がることがないので、そういう特長も出していきたい」と意気込みを語った。

 やっと決まったという安堵の表情と、これから始まる新たな挑戦に胸を躍らせていたチェイス。中学時代は無名の選手で神奈川県の街クラブ選抜に選ばれた経験しかない。決して、エリート街道を走ってきたわけではなかった。
 
「アンリは1年の時、染野唯月(現・鹿島)に(練習で)軽く捻られてましたから」

 尚志の仲村浩二監督がこう振り返った通り、入学当初は完成された選手ではなかった。人生が180度変わったのは尚志に進学してから。短所ではなく、長所を伸ばす。仲村監督や小室雅弘コーチは、選手の将来を見据えて伸び伸びとプレーさせ、ミスだけにフォーカスする指導はしなかった。1年次のチェイスを振り返り、小室コーチはこう証言する。

「最初の頃は体育座りして泣くこともあった。そのときに『できなくても気にすんじゃねぇ』って言ったんだけどね。確か、アンリがある試合で退場したんだ。綺麗な形でボールを奪えたけど、2回目は無理していって退場してね。その後に泣いてしまった。やっぱり、選手はちょっとしたことがきっかけで伸びる。俺は選手のいいところしか見ていない。悪いところがあってもいいところが上回ればいいじゃないって思う。だって、パーフェクトな選手はいないんだから。悪いところばかり指摘すると、選手は伸びないんだよね」

 多くの人に見守られながら、自分の武器を磨いていく。一からサッカーを教わり、まともに蹴れなかったキックも基本から鍛錬しつつ、長所である身体能力を生かした空中戦の強さやスピードだけは負けまいと懸命にプレーをしてきた。

 少しずつ自信を深め、3年生になってからようやくその努力が実を結ぶ。それまで負っていた怪我も癒え、シーズン開幕時からCBとして尚志の最終ラインに君臨。謙虚で素直な性格もうまく噛み合い、瞬く間に株を上げていった。

 7月にAZ(オランダ)のU-23と、ボルシアMG(ドイツ)のU-19で武者修行する機会を得ても、取り組みは決して変わらない。むしろ、意識がより高まったことで話す内容も変化。この頃から上のレベルを意識した発言も多くなった。
 
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