３月26日に行なわれた国際親善試合で、デンマークはオランダと敵地で対戦。同じくすでにカタール・ワールドカップ出場を決めている難敵に２―４で敗れたものの、話題をさらったのは、前者のMFクリスティアン・エリクセンだった。

　昨夏に開催されたEURO2020のフィンランド戦で、突如心停止となり、昏倒したエリクセン。選手生命が危ぶまれる状況に陥ったが、懸命なリハビリを経て、先月26日にブレントフォードで259日ぶりにピッチへ戻ると、そこからちょうど１か月。背番号10は１―３で迎えた後半から途中出場し、代表でもついに復帰を果たした。

　会場はエリクセンがプロキャリアをスタートさせたアヤックスの本拠地、ヨハン・クライフ・アレナということもあり、出場の際にはスタンド中から大歓声が送られた。

　そんな感動の余韻がまだ残るなか、帰ってきたエースは出場からわずか２分、なんとファーストタッチでネットを揺らす。右サイド深くからアンドレアス・スコフ・オルセンが送り込んだグラウンダーのクロスに、ペナルティエリア内で反応し、右足で豪快にゴール上に突き刺したのだ。
【動画】ゴール上にズドン！不屈のエリクセンが思い出の地で衝撃の一発

　エリクセンは試合後、『Sky Sports』のインタビューで「（オランダのファンには）とても歓迎されていると感じたよ。以前は何年もここにいたからね。心温まる歓迎だった」と、感謝の意を伝えると、思い出の地での得点をこう振り返っている。

「ボールが僕のところに来たのも嬉しかったし、もちろん素晴らしいフィニッシュだった。このような形での国際的なサッカー界へのカムバックは、パーフェクトだ」

　今年11月にはデンマーク代表としては、２大会連続６度目のW杯が控える。「カタール・ワールドカップでプレーすることを楽しみにしている」と語るエリクセンは、EUROの借りを大舞台で返せるか。不屈の30歳が歩むストーリーに注目だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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