プレミアリーグ前半戦で最もインパクト与えた若手は？

　日本の皆さんは「冨安健洋」と答えるのを期待していたかもしれない。もちろん彼も強烈なインパクトを与えた。ただ、私にはそれ以上に衝撃を受けた選手がいる。クリスタル・パレスのMFコナー・ギャラガーだ。

　ギャラガーは、現在パレスに貸し出されているチェルシーの選手だ。今シーズン、彼はプレミアリーグで傑出したパフォーマンスを披露している。

　チェルシーのトップチームに入るのは簡単ではないため、若手をレンタルするのは、彼らの常套手段だ。監督がすぐ解任されるので、指揮官が時間をかけて若手が育つのを待つより、実績のある代表選手を使いたがるというお家事情もある。

　実際、21歳のギャラガーも、これまでチャールトン、スウォンジー、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンに貸し出され、パレスで４チーム目となる。各クラブのサポーターは、「もっと長くいてくれればいいのに」と思っていることだろう。

　デイビッド・ベッカムがプレストン、ハリー・ケインがレイトン・オリエントと下部リーグのクラブに貸し出され、それをきかっけにトップレーヤーに上り詰めたのは今でも語り草だ。今度は、ギャラガーがその好例の仲間入りをするかもしれない。

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　彼を初めて見たのは2019年、チャールトンでプレーした時だった。当時、私は彼のことをほとんど知らなかったし、恥ずかしながらチェルシーが保有している選手だということさえも把握していなかった。

　だが、そのプレーを見て、彼がもっと高いレベルでプレーする運命にあることがすぐに分かった。その時から、彼の特徴は変わっていない。高いスキルがあり、勤勉で、恐れを知らない。いずれもファンに愛される要素だ。

　チェルシーが昨年12月に故障者が続出した時、ギャラガーの秀逸なパフォーマンスと相まって、「レンタルバックすれば良い」と考えたファンもいたかもしれない。しかし、ローン契約に、パレスで一定数の試合に出場した場合、フルシーズン滞在しなければならないという条項があったため、それは不可能だった。