青森山田の優勝で幕を閉じた100回目の高校サッカー選手権。大会を振り返れば、青森山田の強さが際立つ大会だった。その理由の一つとしてあったのが、昨年から選手権を経験していた選手が多かったという点だ。１年生の頃から選手権決勝の舞台を経験していた松木玖生はもちろん、宇野禅斗、藤森颯太、名須川真光らは昨季からレギュラーとして活躍していた。そういう観点で言えば、下級生の時から全国舞台を経験しているか否かは大きい。今回は今大会の選手権で活躍した下級生をピックアップ。来季の活躍が期待される注目すべきタレントを一挙に紹介する。

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GK
デューフ・エマニエル凛太朗（流経大柏／２年）

ガーナ人の父から譲り受けた191cmのサイズを生かした守備で存在感を発揮した守護神だ。１年前は１年生チームの３番手GKだったが、一から基本を学んで今季はレギュラーに定着。初めての選手権は1回戦で近大和歌山（１-１／４PK５）に敗れたが、PK戦では瞬発力を生かしたセービングでシュートを阻止した。勝利に導けなかったものの、ポテンシャルは一級品。３年次に経験をさらに積めば、高卒でのプロ入りも見えてくるはずだ。

DF
仲里勇真（東山／２年）
正確な左足が武器のSBだ。４バックの左サイドを主戦場とするレフティは高精度のクロスでチャンスを演出した。準々決勝の青森山田戦（１-２）は守備重視の布陣を敷いた関係で５バックの左ウイングバックに配置されたが、一瞬の隙を突いてGKと最終ラインの間に絶妙なクロスを供給。王者を慌てさせる先制点をアシストした。何度も上下動できる運動量もあるだけに、フィジカルの強さや戦術理解度が備わってくれば、さらなる飛躍が見えてくる。

宝納拓斗（佐賀東／２年）
ビルドアップ能力に長ける左利きのCBは初の選手権で堂々たるプレーを見せた。最終ラインで攻撃の出発点を担い、隙あらば得意のフィードで局面を打開。３回戦の大津戦（１−３）は相手の素早い寄せに特徴を封じられたが、逆に課題だった守備面で成長の跡を示した。何度も身体を投げ出し、泥臭い守備でタレント揃いの攻撃陣と真っ向勝負。３失点を喫したが、来年に向けて貴重な経験を積んだ。主軸としての活躍が期待される来季の飛躍が待たれる注目株だ。

中山竜之介（青森山田／２年）
レギュラーを務めていた大戸太陽（３年）の負傷によって、先発の座が巡ってきたのは11月の半ば。選手権本大会前の難しい時期にスタメンに定着したが、その不安を感じさせないプレーを披露した。身体を張った守備で“青森山田らしさ”を体現し、球際の勝負でも一歩も引かない。一戦ごとに成長を遂げ、決勝でも先輩たちと連係しながら堅守を構築。大津に対してシュートを１本も撃たせず、３年ぶりの日本一に貢献した。来季は主軸としての活躍が期待されるだけに、この経験をどのように生かすのか注目だ。

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