［高校選手権２回戦］近大和歌山０-１静岡学園／12月31日（金）／フクダ電子アリーナ

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　第100回全国高校サッカー選手権は12月31日、首都圏の各会場で２回戦の16試合を開催。フクダ電子アリーナの１試合目に行なわれた近大和歌山対静岡学園は１-０で後者が勝利を収めた。

　１回戦で全国屈指の強豪である流経大柏をPK戦の末に下し、駒を進めてきた近大和歌山は、優勝候補の一角・静岡学園相手にも堅い守備と鋭いカウンターで好ゲームを展開。初戦では５人で５得点を挙げた、どこからでも得点を奪える“静学”の攻撃を、前半は無失点で抑える。

　主将でディフェンスリーダーの荒木宏心（３年）が、「相手はドリブルがすごい上手いチーム。守備で飛び込まず、距離感を意識して試合に臨んだ」と話すように、サイドでは打開される場面があったが、抜き切らせない粘りの守備を披露。最終ラインの選手同士の距離感も抜群で、テクニックに優れる静岡学園の選手たちを度々手こずらせた。
 

　後半に入っても要所を押さえ、じわじわと自分たちのペースに持ち込んでいく。

　藪真啓監督は、「もう一度サプライズを」を合言葉に、対戦相手をスカウティングし、「ボールを奪える瞬間を見逃すな」「相手の技術は高いが、どちらでもないボールは自分たちで奪おう」ということを徹底したという。

　その成果は間違いなく示せていた。しかし、コンディションが上がらずベンチスタートとなっていた、静岡学園のFW持山匡佑（３年）の投入後に鋭さが増した相手の攻撃を受け止めきれず、後半26分にボランチの小泉龍之介に見事な反転シュートを決められ、これが決勝点に。

「ゲームプランをたてて、選手もそれを実行してくれていた。あの１点以外は。選手たちは良くやったのに」

　指揮官は優勝候補を追い詰めた戦いぶりを称える一方で、悔しさも滲ませた。

　今後については、「和歌山のサッカーにも少しは恩返しできたのかなという気持ちがあります。近大和歌山の成長と、和歌山県のサッカー界の成長に少しは貢献できたのかなと思っています。我々はここからだと思っています。頑張ります」と次代を見据えた。

取材・文●渡邊裕樹（サッカーダイジェストWeb編集部）