[高校選手権１回戦]羽黒 １-２ 岡山学芸館／12月29日（水）／ニッパツ三ツ沢球技場

　勝負を決める一発だった。

　１-１で迎えた後半38分、岡山学芸館の山岡亮太が敵陣左サイドでパスを受けると、タイミングを計りながらカットイン。そして敵が寄せてくる前に右足を振り抜くと、放たれたボールは逆サイドのネットを揺らした。

　前半に先制される展開だったが、後半16分に井上斗嵩のゴールで試合を振り出しに戻す。一進一退の攻防が続くなかで、10番を背負うキャプテンの逆転弾で岡山学芸館が初戦突破を果たした。

「前半は良くないパフォーマンスで、失点してしまったんですけど、ハーフタイムにしっかり全員で話し合って、後半に巻き返せたのは良かった」

　そう試合を振り返る山岡は、自らのゴールシーンについては次のように話す。

「あそこのコースからのシュートは、けっこう練習しているので。今日のシュートは相手の足に当たって入ったんですけど、得意の角度で決められて良かった」

　高原良明監督も「彼の得意なエリア」と言い、「シュート精度が高くて、ドリブルでも仕掛けられる」と評価する。
 

　キャプテンとしては、背中で語るタイプのようだ。

「声を出しながら、というよりも、練習でも力を抜くことなく、全力で取り組む。そういう形でチームを引っ張ってくれているキャプテンです」

　県予選は負傷のため、作陽との決勝戦のみに出場。現時点でも「ちょっと怪我持ちで、まだまだ本調子ではない」（高原監督）という。

　コンディションが万全ではないなかでも、全国の舞台で勝利をもたらす仕事をやってのけた山岡を、指揮官は「最後は本当によく決めてくれた」と労った。

　12月31日に行なわれる２回戦の相手は、山口の高川学園。山岡は「僕たちの目標は、夏のインターハイのベスト８を超えて、全国優勝することなので、次の試合からもっとチームが一丸となって戦っていきたい」と意気込みを口にした。

取材・文●広島由寛（サッカーダイジェストWeb編集部）

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