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プレミアの外国人監督の英語力を採点! ネイティブレベルの名将は?【英国人エディターコラム】

カテゴリ:ワールド

スティーブ・マッケンジー

2021年12月29日

クロップは語彙や話し方がまるでビジネスマン

リバプールのクロップ(左上)、マンCのグアルディオラ(右上)、トッテナムのコンテ(左下)、チェルシーのトゥヘル(右下)など外国人の名将がプレミアに集結。英語力がもっとも高いのは?

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 プレミアリーグの監督たちを改めて見渡してみると、ノン・ブリティッシュ(非英国人)が13人とマジョリティーだ。しかもマンチェスター・シティ、リバプール、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、そしてトッテナムのビッグ6はすべて外国籍である。

 そこでだ。彼らの英語力はどれほどのものなのか、採点してみようと思う。誰が最も流暢な英語話者なのか。

 ネイティブレベルと言っていいのが、リバプールのユルゲン・クロップだ。クロップは語彙や話し方がビジネスマンのようだ。例えば、電車の後ろの席に座っていて、話し声だけ聞こえたら、とてもフットボールの監督とは思わないだろう。人柄や知性が滲み出すその話ぶりに、選手が心酔してついていくのも分かる気がする。

 ちなみに退任してしまったが、マンチェスター・ユナイテッドの前監督であるオレ・グンナー・スールシャールもネイティブレベルだった。スールシャールは選手としても長くユナイテッドでプレーしていたからほぼ完璧。アクセントなんかマンキュニアン(マンチェスター人)そのものだ。ただ、英語はしっかり話せても、選手にはどうも伝わってなかったみたいだね。

 クロップに続くのがシティのペップ・グアルディオラとアーセナルのミケル・アルテタ。ペップはしっかり勉強して身につけたという感じで、ソツがない。くだらない質問をする記者にはぴしゃりとやり返すしね。そう、会見での物言いは好戦的で、ほとんど笑顔も見せない。実際、メディアがあの手この手で仕掛けてくるから、めったなことが言えない。母国語ではない英語で対抗しなきゃいけないのは大変だと思う。

 そのペップのもとでアシスタントコーチを務め、古巣アーセナルで独り立ちしたアルテタは、スールシャールと同じで現役生活を通して英語を習得したタイプだ。アーセナルの前にはエバートン、その前にはレンジャーズでもプレーしていて、英国暮らしが20年近くになるからね。
 
 チェルシーのトーマス・トゥヘルがその次。ハイレベルな話者だけど、語彙がちょっと独特でね。例えば、「very」を使うところで「super」を使うんだ。「very good」が「super good」。真面目な会見の場でそれを言われたら、思わず吹き出しそうになってしまうよ。

 かなり劣るのが、3年ぶりに戻ってきたトッテナムのコンテ。流暢さ、語彙力、文法のどれもまだまだ勉強が足りないな。ただ、通訳はつけず会見や取材には英語で応じている。

 対照的に、公の場では一切英語を使わないのがリーズのマルセロ・ビエルサだ。常に通訳がピタリと寄り添い、会見でも鬼才を助けている。ビエルサは英語がまったく話せないわけではないけど、正しく伝えるために通訳を使っているようだ。完璧主義者らしいね。

 クリスタル・パレスのパトリック・ヴィエラもほとんどネイティブ・スピーカー。面白いのは、現役時代のダイナミックなプレーぶりからは想像できないほど語り口はソフトだってこと。それが独特の重厚感を醸し出し、選手としての実績と相まって選手を惹きつけるようだ。新監督のヴィエラが今シーズンから取り組んでいるハイプレス+ポゼッション型のフットボールもしっかり形になってきているし、後半戦も楽しみだ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

Steve MACKENZIE
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーターだ。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で手掛け出版した。

※『ワールドサッカーダイジェスト』2021年12月2日号より加筆・修正

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