［カタール・ワールドカップ・アジア最終予選］日本 １-０ オマーン／11月16日／スルタン・カブース・スポーツ・コンプレックス

　とにかく、勝てて良かった。オマーン戦の勝利で、日本は最終予選で３連勝を達成。オーストラリアを抜いて、ワールドカップ出場圏内の２位に浮上した。

　伊東のゴールで１-０で制したこのゲームで、後半スタートからの途中出場でA代表デビューを飾った三笘に触れないわけにはいかない。分かっていたことではあるけど、速すぎだよね（笑）。ブラジル代表のネイマールのように、抜群のスピードで敵を抜き去る。

　一発目のプレーで、左サイドをぶっちぎる。追いすがる相手DFはファウルでしか止められなかった。本人はこれで良い感触を掴めたはずで、この突破で相手は当然ながら縦を警戒するから、そうなると中にも生きやすくなる。効果は絶大だった。

　なによりも自慢のドリブルでしっかりとペナルティエリアに入っていけるのが大きいよね。三笘にボールが入れば相手もより意識するから、周りの選手もフリーになりやすくなる。自分でも打開できて、チームメイトも良い状態にする。三笘ひとりいるだけで、攻撃面でいろんな可能性が膨らんでいく。

　フロンターレで一緒にやっていた田中は、効果的なフリーランで三笘へのマークを乱すこともできる。代表のピッチでも、そうした息の合った連係が増えてくれば、三笘はより輝きを放つだろうね。

　三笘は狙いすましたクロスで伊東の決勝点をアシスト。森保監督の期待に見事に応えたわけだけど、得点場面ではその三笘にスッとパスを出した中山のパフォーマンスも印象的だった。

　確かな技術の持ち主で、ビルドアップのセンスがある。長短のパスを正確に蹴れるし、足もとにつけるのか、裏に出すのか、サイドチェンジなのか、その判断も的確。視野が広くて、見ているところがいいんだと思う。

　派手さはないかもしれない。でも、気の利いたプレーで味方の良さを引き出せるし、ゲームメイクもこなす。サイドバックにこういうタイプがいると、チームとして面白いサッカーができるんじゃないかな。
 

　途中出場が続いていた中山は、試合を重ねるごとに森保監督の信頼を高めるようなパフォーマンスを見せていると思う。そして三笘は戦力として十分に計算できることを証明してみせた。オマーン戦は貴重な勝点３とともに、多くの収穫があったゲームだった。

　最終予選は残り４試合。年をまたいで、２か月ちょっと先の次の中国戦では、またいくつかの変化があるだろうね。怪我で戦列を離れていた久保が復帰するだろうし、ポルトガルで復活の兆しを見せつつある中島が戻ってくるかもしれない。

　盛り返してきた日本代表で、増えてきたポジティブな要素を森保監督がどうまとめて、ひとつの形にしていくのか。指揮官のチーム作りがますます楽しみになってきたよ。

【W杯アジア最終予選PHOTO】オマーン０-１日本｜期待の三笘の突破から伊東が決勝点！貴重な勝利を手にし、豪州をかわして２位浮上！