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【三浦泰年の情熱地泰】一筋縄ではいかない大事な話… サッカー界の役職の決め方とオマーン戦に思うこと

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2021年11月16日

大事な3連戦を戦っていた一方で、世間では衆院選が行なわれた

22年3月の評議員会で再任となる日本サッカー協会の田嶋会長。4期目に突入する。写真:サッカーダイジェスト

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 コラムを書きかけていながら完成出来ず、10月の終わりから11月にかけての大事な3連戦に入ってしまった。コラムの入稿が遅れてしまい申し訳なく、今回は2週間前に公開する予定だった内容と、重ねて感じていることを今の想いとして『情熱地泰』に載せてみたい。

 政治とは、なんであろう?
 10月に総裁選が行なわれ、同月末の衆院選後には、新しい内閣総理大臣が岸田さんに決まった。

 僕は政治のことを綴れるような知識はないが、一般によく使われる「政治的」という言葉は気になる。政治と言いながら、スポーツの世界でもよく耳にする。「あのやり方は政治的だよね」の“政治的”とは何の事であろう。

 政治とは国を良くするために、しっかりしたルールを定め、善良な国民がよい同じ方向へ進んで行くことをいうのであり、そのリーダーが政治家さんたちなのであろう。

 だから政治的という言葉は悪い意味、ネガティブに使われるのではなく、良い意味で使われていかなければならない。
 
 しかしこの“政治的”という言葉はどちらかというと余り良い意味ではないような気がする。どこか権力で言い聞かせるような雰囲気があり、何か正規なルートではない「ズルい」というイメージに聞こえる。

 それは僕の感覚的なイメージでもあるが、そう感じている人は他にもいるのではないだろうか。

 サッカー界は日本サッカー協会会長を4期に渡り田嶋幸三さんが務めることになったと最近、決まった。

 そして、この後にはJリーグのチェアマンが新しく決まると聞く。「決まった」と僕の耳には入っているが、発表はまだないようだ。

 総裁選や衆院選であれば誰もが同じタイミングで知れるし聞けるが、サッカー界の大事なリーダーの決定が、同じタイミングで聞こえてこないのは少し気になる。噂なのか、もう出ているが、露出がなく知らないだけなのか? 内定したということなのか?

 案外、多くの人が、Jリーグのチェアマンも日本サッカー協会のリーダーもそれを支える大臣のような人たちも、どのような形でどのような時期に誰が誰に決めているのかを知らないのではないか?

 正直に長くサッカー界に関わっている僕も、薄っすらは知っているが人に語れる程は知らない。詳しくは分からず、ある一部の人たちで進められている。

 本来はそれではいけないのであろうが、それが現実であり、これもまた政治的な形で進み、余り良いイメージな見え方ではないのであろう。

 どの世界でも決定権のある一番偉い人を決めるのは大事なことであり、難しいことなのだから。決め方を現実に細かく決めると、またそれを誰が決めるのかと決め方の議論が始まってしまう。これはオールスターの選手を決めるのとは違うだろうし、ファンやサポーター、市民、県民、国民が決められることでもない。やはり政治的にある一部の人たちが決めていくことになるのであろう。

 そして決め方が変わったとしても、ホームランを打ち、ピッチャーとしてチームトップの勝ち星を挙げた二刀流の大谷選手をMVPに選ぶのは簡単だが、そのスポーツの組織のトップを選ぶには何が必要か、そして誰が適任かを選ぶのは本当に難しいことだ。

 日本サッカー協会会長、Jリーグチェアマンとはどんな能力を持ち、どんな人がなる必要があるのか? 安倍さんから菅さん、そして岸田さんが総理大臣になったが、れを決めるより難しいことなのかもしれない。

 日本サッカー協会が今年100周年を迎えたが、Jリーグは93年発足からまだ30年も経っていない。

 きっと実力がある人だけが、そのポストにいる訳ではないであろう。その職に着けなかった人の中にも凄い実力を持っていた人もいたのではないか?

 今回の衆院選では顔が効かなくなったという。名前、顔で仕事が出来る時代ではなくなる、きっかけになるのかもしれない。大臣が選挙で負け、ジュニアでも通れず、今まででは起きなかったことが起きたようだ。

 大臣を歴任してきた甘利さんや、石原伸晃さんと、無知な僕でさえ知っている名前と顔が落選という時代になっている。

 これは何の世界でも同じであろう。サッカー界で言えば元日本代表選手だったというだけでプレーは出来ないであろう。

 経験した事をプラスに変えられる今と未来を持っていないといけない。

 僕が務める監督業に置き換えれば、選手時代に経験したこと、学んだこと、言われたことを、頭で身体で感じとったことはサッカーの世界で生き続ければ、必ず指導にも生きてくるということだ。

 ただし、だからと言って、選手時代の実績、数字、名前、知名度でその仕事(監督)ができるかと言えばそうではない。

 そして名前が邪魔する事もあるであろう。周りの人たちのイメージにより、過去の実績、名前がマイナス要素を生むかもしれない。特に就任した当初は、その人のイメージで決めなければいけないのは当然、認めなければいけない。

 監督も監督としてどのような仕事をしてきたか、どのようにチームを変えてきたか? 選手時代の名前では良いチームは作れない。

 だからこそ目の前の与えられた目標に、必死になって取り組むしかないのだ。
 
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