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「アイツは本当にうるさい」元グランパス守護神の監督も驚く声量…大会無失点で愛知を制した中部大一の2年生GKを絶賛!

カテゴリ:高校・ユース・その他

森田将義

2021年11月15日

元グランパス守護神の伊藤監督「体育をしている時も事務室にいる僕の所まで常に声が聞こえてくるんですよ」

選手権愛知県予選を無失点で抑えた中部大一のGK下村。そのメンタルの強さは元Jリーガーの指揮官ですら驚きだという。写真:森田将義

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 チームの指揮を執るのは、Jリーグ開幕時に名古屋グランパスの守護神だった伊藤裕二監督。部の強化に乗り出して7年目の中部大一高が悲願の選手権出場を果たした。今年のチームは決して前評判が高いわけではなかった。5月に行なわれたインターハイは県大会の初戦で敗退。今予選も「県大会すら出られないぞと言っていた」(伊藤監督)。だが、蓋を開けてみれば県3部リーグに所属するチームが、大同大大同高との3回戦から、4連続で1部リーグのチームをなぎ倒して、頂点まで駆け上がった。

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 原動力となったのは、大会を無失点で抑えた強固な守備。3バックの中央にそびえるディフェンスリーダーのDF北村昌樹(3年)と共に、GK下村駿季(2年)の貢献が大きかった。名古屋高との決勝でも、彼の存在感は際立っていた。名古屋の武器であるロングスローに対しては、ゴールマウスに立って守るのではなく、相手が狙ってくるニアの位置まで前に出て対応。頭を抜ければ、がら空きになったゴールを狙われるリスクもあったが、「監督から、絶対にあそこに来ると言われていた。チームと監督を信頼して、飛び出していた」。前半は策が上手くハマらなかったが、後半は頭上のボールを上手くキャッチし、守備に安定感を与えていた。

 自信を覗かせるシュートストップでも魅せた。「止める時に基本は大事ですが、相手の目線とか雰囲気とか選手のキャラというのを意識している」と話す下村の見せ場が訪れたのは、前半34分。左スローからのパスに反応した名古屋のFW今泉陸(3年)がゴール前に抜け出したが、「24番はパワーで来るキャラなので、そこは力強く自分で身体を張ろうと意識しました」とタイミングよく前に出て失点を回避。今大会6度目となる無失点に貢献し、優勝を引き寄せた。

 そして、何より大きかったのはどんな時でも、チームを盛り上げるコーチングだ。その声量は、伊藤監督が「アイツは本当にうるさい(笑)。体育をしている時も事務室にいる僕の所まで常に声が聞こえてくるんですよ。よく『今日もうるさかったな』と言うんですけど、全く気にしていない。僕の現役時代とは違う。あのメンタルは凄いですね」と評するほど。本人は「小学1年生からGKをやっているのですが、小さい頃からずっとうるさいキーパーと言われてきた。なんで、こんな変な声になっちゃったんですけど(笑)。喉が潰れて、ハスキーになっちゃいました」と悪戯っぽく笑うが、その理由はいたって真剣だ。
「フィールドの選手は走って疲れている。自分は走らず疲れない分、声を出して盛り上げようと意識している。盛り上げて、チームの集中を切らさないよう意識しています」
 
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