11月11日、カタール・ワールドカップ出場を目指す日本代表は、アウェーのミーディン国立競技場でアジア最終予選の第５戦、ベトナム戦を迎える（日本時間21時キックオフ）。

　10月の２試合ではアウェーのサウジアラビア戦に敗れ、窮地に立たされた森保ジャパン。続くホームでのオーストラリア戦では４-３-３を採用し、試合終了間際の決勝弾で２-１で劇的勝利を飾ったが、４戦して２勝２敗でグループBの４位と、厳しい戦いは続く。

　グループA（韓国らが所属）とグループB、それぞれの上位２か国、計４か国がワールドカップの出場権を得られる（各グループ３位はプレーオフへ）レギュレーションで、無敗でグループBの首位に立つサウジアラビア、２位のオーストラリア、３位のオマーンに続く４位の日本にとっては、11月のアウェー連戦、ベトナム戦とオマーン戦（日本時間11月17日）は負けられないゲームだ。特に現時点で勝点で並ぶオマーンにはホームで敗れているだけに、リベンジを果たしたい。

　もっとも、ベトナム戦に向けては、アクシデントに見舞われている。元々、新型コロナウイルスの対応策として厳格な入国制限を敷くベトナムにおいて、欧州組は一度、日本に戻ってからベトナムに飛ぶなど、通常よりも厳しい移動を強いられ、初日のトレーニングに参加したのは権田修一(清水)、長友佑都(FC東京)、大迫勇也(神戸)、前田大然(横浜)と、柴崎岳(レガネス／スペイン)の５人のみ。

　翌日の８日には残りの国内組と、初招集となった三笘薫（ユニオン・サン＝ジロワーズ）らが合流。しかし、オランダからのチャーター便で現地入りし、試合２日前となる９日の練習に参加する予定だった11人（川島永嗣〈ストラスブール〉、吉田麻也〈サンプドリア／イタリア〉、冨安健洋〈アーセナル／イングランド〉、板倉滉〈シャルケ／ドイツ〉、古橋亨梧〈セルティック／スコットランド〉、原口元気〈ウニオン・ベルリン／ドイツ〉、伊東純也〈ヘンク／ベルギー〉、南野拓実〈リバプール／イングランド）、守田英正〈サンタ・クララ／ポルトガル〉、鎌田大地〈フランクフルト／ドイツ〉、堂安律〈PSV／オランダ〉）が、給油のために降り立ったロシア国内の空港でまさかの足止めを食らい、予定より半日遅れた９日深夜にホテルに到着したのだ。「だいたい24時間くらい機内にいました」（吉田）と、予想外の大移動となり、前日の練習にしか参加できない“ぶっつけ本番”でベトナム戦に臨むことになったのだ。

　森保一監督は「想定外のアクシデントはあって当たり前だと思うので、みんなで乗り越えていこうと、ポジティブにやっていきたいです。（遅れた11人は）プレーできると考えていきたいです。最終的には（前日）練習を見て決めたいですが、選手たちは所属クラブで存在感を発揮して選ばれているので、体調を回復させて普段通りの力を出してくれれば、日本の力になってくれると思います」と説明。

　ただし、現地での練習に一度しか参加できずに試合となれば、コンディション調整は難しいはず。その点を鑑みてスタメンを予想すると、ある程度はフレッシュなメンバーになるか。

　また、システムも前述したオーストラリア戦でハマった４-３-３と、従来の４-２-３-１、どちらを選択するか読み切れない部分はある。それでも、ベトナムは積極的に前に出る一方、最終ラインは５バックが予想されるだけに、日本はより前に人数をかけられる４-３-３を選択するか

　GKは森保ジャパンの守護神である権田で固いだろう。初日の練習から参加できており、他のメンバーよりも現地の気候にも慣れているはず。川島、谷晃生も控えるが、アクシデントがない限りは、権田が選ばれるのではないか。

　両SBは今夏にＪリーグに復帰した長友佑都が左、酒井宏樹が右の一番手と目される。しかし、酒井は11月７日の鹿島戦を欠場。状態が心配され、室屋成、山根視来が控えているだけに、彼らを選択する線もあるか。長友が担う左SBにも東京五輪でレギュラーを務めた中山雄太がいる。

　CBは前述したように吉田、冨安、板倉の合流が遅れた。彼らのコンディションをどう見るかによって先発コンビは変わるが、ここはJ１王者・川崎を支える谷口彰悟を起用しても良いのではないか。その相棒にはやはりチームを引き締める意味でもキャプテンの吉田を入れるか。