面白みに欠けると言われても…。胸を張る名古屋の11年ぶりのタイトル【ルヴァン杯決勝/コラム】

カテゴリ:Jリーグ

本田健介(サッカーダイジェスト)

2021年10月31日

ついに歓喜の瞬間が

ルヴァンカップ初制覇を果たした名古屋。2-0でC大阪を下した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[ルヴァンカップ決勝]名古屋2-0C大阪/10月30日/埼玉スタジアム2002
 
 試合後、胸を張ったのはキャプテンマークを巻いた中谷進之介だ。

「ゲームの流れ的には難しく見えますし、(決勝は)どうしても堅い試合になってしまうので、面白みに欠けたと思いますが、それが僕たちだし、自分たちが築き上げてきた戦い方を今日はできたかなと思います」

 ルヴァンカップの決勝戦でC大阪と対戦した名古屋は2-0で勝利。クラブとして11年ぶりのタイトル獲得、そしてルヴァンカップ初制覇となった。原動力となったのは2019年9月に就任したマッシモ・フィッカデンティ監督が導入した組織的な守備であり、それを高いレベルで、柔軟にこなせる選手たちの技量、高い意識だったと言えるだろう。

 決勝戦の相手、C大阪には3日前の“前哨戦”天皇杯の準々決勝で0-3で敗れていた。この悔しきゲームがあったからこそ、自分たちの原点により立ち戻れた部分もあったのだろう。

 手堅く、粘り強く――。決勝戦で見せたサッカーは、イタリア人指揮官に叩き込まれた、端的に言えば堅守速攻であり、“マッシモ流”の真骨頂と言える戦い方だった。

 最前線の柿谷曜一朗、前田直輝も高い守備意識を持ち、両サイドハーフのマテウス、相馬勇紀も自陣深い位置まで戻る。まさにチーム一丸となったディフェンスでボールを奪えば、手数をかけないシンプルな攻撃でゴールを目指した。

 47分の先制点も後方からのボールに左サイドを抜けた相馬がCKを獲得して生まれている。そして79分の追加点も後方からのロングボールをシュヴィルツォクが収めて攻撃が始まった。
 

 多くのチャンスを作り出したわけでなく、中谷の冒頭の言葉の通り、迫力に欠けると言われるのかもしれない。それでもACLでの韓国からの帰国後、新型コロナウイルスの影響で隔離生活が続いている状況で、魂のこもった戦いを見せ、チーム一丸となって手にしたタイトルだ。それにこそ大きな意味があるはずである。

 クラブは初のJ2を戦った2017年から、風間八宏監督の下で魅惑的なサッカーを展開し、多くの注目を集めてきた。個人的にもあのサッカーの行きつく先を見たかった想いもある。再び降格の危機に瀕し、19年9月にフィッカデンティ監督の下で真逆とも言えるスタイルへ転換したことに、複雑な心情を抱えた人もいるだろう。

 それでも前を向いて歩き続けてきた成果がここに、確かな形となって現われた。試合後、指揮官を中心に円陣を作って喜びを分かち合ったチームは大きな“勝つ”成功経験を手にできた。このタイトルがクラブをさらにどう発展させるのか注目だ。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


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