【日本代表W杯の軌跡】悠々と悲願成就|2002年日韓大会・チュニジア戦

カテゴリ:日本代表

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年06月04日

攻める姿勢を貫き通すことですべての外圧を克服した。

中田のダメ押しヘッド。ゲームメイクで貢献していた中盤の司令塔が、自身のキャリアで初にして唯一のワールドカップにおけるゴールを決めた。 (C) SOCCER DIGEST

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 この先制弾で日本は堰を切ったように敵陣へと押し寄せる。森島が縦横無尽の動きで相手を釣り出し、狙いどころのスペースでは市川が躍動した。53分に森島のヘッドがポストを叩き、65分、今度は小野伸二のヘッド。完全にゲームを掌握した日本に追加点の期待が高まった。
 
 そして迎えた75分、またも右サイドからゴールが生まれる。市川がDF2人を引きつけてクロスを供給。ニアで鈴木がつぶれ、飛び越えた先にいたのは中田英だ。渾身の力でインパクトしたヘッドが、GKの股間を抜けてゴールに吸い込まれていく。2-0!! 大黒柱のワールドカップ初ゴールで、日本は勝利を盤石のものとした。
 
 文句のつけようがない完勝だ。無風の蒸し風呂状態、信じられないほどに膨張した国民の期待、そして、勝点1で十分というアドバンテージ。それらすべての外圧を飲みこみ、ブルーズはあえて攻めに打って出ることで、雑念を振り払ってみせた。90分間、絶え間なく提示したスタンスは、目撃したすべての人々を高みへといざない、奮い立たせた。
 
 2002年6月14日、日本代表は、悠々と悲願成就の瞬間を迎えた。
 
 
◆2002年6月14日 大阪
日本 2‐0 チュニジア
 
【得点者】
森島(48分)、中田英(75分)
 
【日本】
GK:楢崎
DF:松田、宮本、中田浩
MF:戸田、稲本(46分市川)、明神、中田英(84分小笠原)、小野
FW:柳沢(46分森島)、鈴木
 
【チュニジア】
GK:ブムニェル
DF:トラベルシ、ジャイディ、バドラ、ブザイエン(78分ジトゥーニ)
MF:ゴドバン、ブアジジ、メルキ(46分バヤ)、ベン・アシュール、クレイトン(61分エムハドビ)
FW:ジャジリ
 
 
※週刊サッカーダイジェスト2002年7月3日発売号

上段左から柳沢、松田、鈴木、中田浩、戸田、楢崎。下段左から宮本、中田英、稲本、小野、明神。 (C) SOCCER DIGEST

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