シュンさんはウイニングイレブンを自分ひとりで…
黄金世代よりさらにひとつ上の中村とは今年、わずか半年の間だったが、ジュビロ磐田でともにプレーした。そのスケール感とサッカー熱に圧倒されてきたという。
「もう千里眼というか、あの視野の広さ、分析力は流石やし、ウイニングイレブンを自分ひとりでやってる感じですよ。味方の選手も、まるで上から見てるような操作の仕方。プラス、選手にかける言葉も的確でね。監督目線でもあり、選手目線でもある。両方で見れるひと。まあまあ、普段からサッカーの話しかしない。『昨日のレアル対どこどこの試合観た?』 とかよく訊かれるんですけど、僕は『すいません!』って答えるばっかり。でも、不思議としまいにハイライトくらいは観るようになってました。『J3の試合観たんだけどさ、あいつなかなか良かったよ』とか。すごすぎる(笑)」
春先、磐田に移籍してきたばかりのレジェンドに不憫な想いをさせまいと、奔走したのが松井だった。その優しさと気配りに対し、中村は感謝しきり。さすがは観光巨大都市・京都の出身者だ。松井の人間性が垣間見える。
「言うなれば“おもてなし”ですか、やってましたね(笑)。シュンさんは日本ではマリノスでしかプレーしてないんで、もし分からないことがあったりとか、周りにとってとっつきにくい感じになったら可哀そうやなと思って、できるだけ隣にいようと思ってました。そんな大したことやないですよ」
となれば、師と仰ぐキングカズのことも訊いておこう。鹿児島実高から京都サンガに入団して1年目、松井は三浦知良と初対面を果たした。ひと周り年上の大先輩との親交は、いまでも続いている。
「本当に、背中を見て育った。小学校、中学校、高校とずっと見てましたし、京都でも1年だけでしたけど、一緒にプレーさせてもらいました。そのあとも長い付き合いをさせてもらってて、言葉ではなにも言わないんですけど、ずっとその背中を見てきた。いまでもちょっとしたことをよく訊きます。身体の部分や、試合前はどうしているのか、30歳のときはどうだったかとか、いろいろと。いつも憧れの存在で、いつも前を走ってるスターです」
つい先日も、ちょっとした絡みがあったという。
「こないだテレビ番組に出させてもらったときに、カズさんはグアムで自主トレ中で、『なんでこっちに来てないんだ? テレビに出てるんだったら身体作ったらどうだ?』って(笑)。また同じチームでやれたら嬉しいですけどね」
<つづく>
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
───◆───◆───
PROFILE
まつい・だいすけ/1981年5月11日生まれ、京都府京都市出身。地元の藤森中から名門・鹿児島実高に越境入学し、メキメキと頭角を現す。3年時には高校選手権で準優勝を果たした。卒業後は京都サンガに入団。世代別代表でも持ち前の技巧とドリブルで存在を示し、2004年アテネ五輪ではナンバー10を背負う。同大会終了後に欧州挑戦をスタート。フランス2部のル・マンでスターダムを駆け上がり、サンテティエンヌ、グルノーブル(ともにフランス)、トム・トムスク(ロシア)、ディジョン(フランス)、スラビア・ソフィア(ブルガリア)、レヒア・グダニスク(ポーランド)と渡り歩いた。2014年春にジュビロ磐田に移籍し、10年ぶりのJリーグ復帰。3年半プレーし、今年8月にふたたび欧州へ旅立ち、現在はポーランド2部のオードラ・オポーレに籍を置く。日本代表では31試合・1得点の記録を残し、2010年南アフリカ・ワールドカップでベスト16進出に、翌年のアジアカップでは優勝に貢献した。Jリーグ通算211試合・25得点(うちJ2は116試合・18得点)。175センチ・68キロ。
公式ウェブサイト=http://matsuidaisuke.jp/
サッカージャンキー=http://soccerjunky.com/
「もう千里眼というか、あの視野の広さ、分析力は流石やし、ウイニングイレブンを自分ひとりでやってる感じですよ。味方の選手も、まるで上から見てるような操作の仕方。プラス、選手にかける言葉も的確でね。監督目線でもあり、選手目線でもある。両方で見れるひと。まあまあ、普段からサッカーの話しかしない。『昨日のレアル対どこどこの試合観た?』 とかよく訊かれるんですけど、僕は『すいません!』って答えるばっかり。でも、不思議としまいにハイライトくらいは観るようになってました。『J3の試合観たんだけどさ、あいつなかなか良かったよ』とか。すごすぎる(笑)」
春先、磐田に移籍してきたばかりのレジェンドに不憫な想いをさせまいと、奔走したのが松井だった。その優しさと気配りに対し、中村は感謝しきり。さすがは観光巨大都市・京都の出身者だ。松井の人間性が垣間見える。
「言うなれば“おもてなし”ですか、やってましたね(笑)。シュンさんは日本ではマリノスでしかプレーしてないんで、もし分からないことがあったりとか、周りにとってとっつきにくい感じになったら可哀そうやなと思って、できるだけ隣にいようと思ってました。そんな大したことやないですよ」
となれば、師と仰ぐキングカズのことも訊いておこう。鹿児島実高から京都サンガに入団して1年目、松井は三浦知良と初対面を果たした。ひと周り年上の大先輩との親交は、いまでも続いている。
「本当に、背中を見て育った。小学校、中学校、高校とずっと見てましたし、京都でも1年だけでしたけど、一緒にプレーさせてもらいました。そのあとも長い付き合いをさせてもらってて、言葉ではなにも言わないんですけど、ずっとその背中を見てきた。いまでもちょっとしたことをよく訊きます。身体の部分や、試合前はどうしているのか、30歳のときはどうだったかとか、いろいろと。いつも憧れの存在で、いつも前を走ってるスターです」
つい先日も、ちょっとした絡みがあったという。
「こないだテレビ番組に出させてもらったときに、カズさんはグアムで自主トレ中で、『なんでこっちに来てないんだ? テレビに出てるんだったら身体作ったらどうだ?』って(笑)。また同じチームでやれたら嬉しいですけどね」
<つづく>
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
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PROFILE
まつい・だいすけ/1981年5月11日生まれ、京都府京都市出身。地元の藤森中から名門・鹿児島実高に越境入学し、メキメキと頭角を現す。3年時には高校選手権で準優勝を果たした。卒業後は京都サンガに入団。世代別代表でも持ち前の技巧とドリブルで存在を示し、2004年アテネ五輪ではナンバー10を背負う。同大会終了後に欧州挑戦をスタート。フランス2部のル・マンでスターダムを駆け上がり、サンテティエンヌ、グルノーブル(ともにフランス)、トム・トムスク(ロシア)、ディジョン(フランス)、スラビア・ソフィア(ブルガリア)、レヒア・グダニスク(ポーランド)と渡り歩いた。2014年春にジュビロ磐田に移籍し、10年ぶりのJリーグ復帰。3年半プレーし、今年8月にふたたび欧州へ旅立ち、現在はポーランド2部のオードラ・オポーレに籍を置く。日本代表では31試合・1得点の記録を残し、2010年南アフリカ・ワールドカップでベスト16進出に、翌年のアジアカップでは優勝に貢献した。Jリーグ通算211試合・25得点(うちJ2は116試合・18得点)。175センチ・68キロ。
公式ウェブサイト=http://matsuidaisuke.jp/
サッカージャンキー=http://soccerjunky.com/