「自信を持ってここに来られた」と語る原口。“ドイツ仕込み”でアピールできるか。
前日練習のハーフコートでの11対11で、原口元気はトップ下でプレーしていた。
原口自身、「どのポジションで出るかは分からない。どこでも出られる準備はしています」。トップ下に関しては「どうですかね。やれと言われれば、できます」とスタンバイするが、「でも、できるならサイドで出たいです」と希望を口にする。
現体制下での基本システム4-2-3-1の2列目サイドは、本田圭佑ほか、宇佐美貴史や武藤嘉紀などが候補として考えられ、激戦区のポジションである。
熾烈な競争が予想されるが、原口は「もちろん、競争があって、良い選手がいるのも間違いない。そのなかでも、チャンスをもらえれば、自分の良さを出したい。その先になにがあるかは分からないですけど、誰がどうこうじゃなくて、自分のプレーに集中して」と言葉に力を込める。
試合を前日に控え、「良い準備ができたと思っている。良いプレーを見せたい」と意気込む。練習中の一つひとつのプレーにはキレがあり、「試合になってみないと分からないですけど、感覚的には悪くない」とコンディションに問題はなさそうだ。
ハリルジャパンでは初招集となる注目のアタッカーは、キャンプを通じて「監督がどういうサッカーがしたいとか、目指しているものが見えてきた」と、代表チームの戦術をしっかりと頭に叩き込んだ。
そのうえで、「速いプレーを見せたい」と言う原口は、「ゴールに直結するようなスピード感のあるプレーができたら、自分らしさも出せるし、(今の代表チームが)目指しているサッカーに近いんじゃないかとは思います」と語る。
描くプレーを表現するためには「(相手からボールを)取った時の切り替えはもちろん、正確な技術も大切なので、走りながら良い判断をしたり、正確な技術を出す。そういうところが大事になってくる」と、自分の中では整理ができているようだ。
昨年6月にヘルタ・ベルリンへ移籍し、ドイツの地で己を鍛え上げた。終盤はスタメンを飾る試合が続いたこともあり、「自信を持ってここに来られた。サッカーをやるにあたって自信は大事」と表情を引き締める。
日本代表がアジア2次予選という新たな戦いに挑むなか、原口の挑戦も始まった。
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)