C・ロナウド擁する欧州王者のポルトガル相手に、常にペースを握りながらカバーニの鮮やかな２ゴールで快勝を飾ったウルグアイと、メッシ率いるアルゼンチンにいったんは逆転を許しながらも、新鋭エムバペの２ゴールなどで激戦を制したフランスが、準々決勝で顔を合わせることとなった。
 
◇今大会成績
ウルグアイ
・グループリーグ
グループA１位：３勝・５得点０失点
○１-０ エジプト
得点者：ヒメネス
○１-０ サウジアラビア
得点者：スアレス
○３-０ ロシア
得点者：スアレス、オウンゴール、カバーニ
・決勝トーナメント1回戦
○２-１ ポルトガル
得点者：カバーニ（２点）
 
フランス
・グループリーグ
グループC１位：２勝１分け・３得点１失点
○２-１ オーストラリア
得点者：グリエーズマン、オウンゴール
○１-０ ペルー
得点者：エムバペ
△０-０ デンマーク
・決勝トーナメント１回戦
○４-３ アルゼンチン
得点者：グリエーズマン、リュカ、エムバペ（２点）

 
　この２か国のW杯での対戦は過去に３度あるが、比較的最近と言える2010年南アフリカ大会、2002年日韓大会ではいずれもスコアレスドロー。前者ではウルグアイはグループ首位で最終的に４位入賞、フランスはグループ最下位に終わり、後者はデンマーク、セネガルの後塵を拝して両国ともにグループリーグ敗退を喫した。
 
　1966年はウルグアイが２-１で勝利し、フランスはやはり最下位での敗退、一方のウルグアイはベスト８入りを果たしている。
 
　８試合のうちの半分がスコアレスドローで、直近５試合でのゴールはわずか１（！）である。そんな両国の対決で、最も大差がついたのは1924年のパリ五輪での５-１。勝者のウルグアイは、この大会と４年後のアムステルダム五輪で連覇を果たしたことにより、第１回のW杯の開催国に選出された。
 
　フランスが唯一勝利を飾った1985年の一戦は、同年と93年の２回だけ開催された、EUROとコパ・アメリカの王者が対戦する「アルテミオ・フランキ・トロフィー」という大会で、パルク・デ・プランスで行なわれた一戦では、ミシェル・プラティニ率いるフランスが美しいサッカーで、エンソ・フランチェスコリ擁するウルグアイを下している。
 
◇通算対戦成績＆結果
（ウルグアイの）３勝４分け１敗
2013年　ウルグアイ １-０ フランス（親善試合）
2012年　フランス ０-０ ウルグアイ（親善試合）
2010年　ウルグアイ ０-０ フランス（W杯 GL）
2008年　フランス ０-０ ウルグアイ（親善試合）
2002年　フランス ０-０ ウルグアイ（W杯 GL）
1985年　フランス ２-０ ウルグアイ（親善試合）
1966年　ウルグアイ ２-１ フランス（W杯 GL）
1924年　フランス １-５ ウルグアイ（五輪 QF）
※GL＝グループリーグ　QF＝準々決勝
 
　過去の通算対戦成績ではウルグアイが上回っているが、今回はカラーの異なる大会屈指の好チームの対峙とあって、勝敗の予想は非常に難しい。
 
　試合の構図としては、攻撃的なフランスがボールをキープしながら、ウルグアイの堅守をいかに崩すか、そしてウルグアイは相手の攻撃をかわし続けながら、カウンターからいかに効率良くゴールを奪えるか、といったものになると考えるのが一般的だろう。
 
　エムバペ、グリエーズマン、ジルー、さらにポグバらフランスの優れた攻撃タレントと、ゴディン、ヒメネスら堅固なウルグアイDF陣の対峙は非常にハイレベルで、かつ激しいものとなるはずだ。
 
　ウルグアイの攻撃陣では、スアレス、カバーニの２トップが中心となるが、不安なのは後者がポルトガル戦の後半途中で足を痛めて交代退場したことだ。現時点で怪我の具合や、フランス戦に間に合うかどうかも不明だ。もし彼を欠けば、ウルグアイの攻撃力は半減すると考えざるを得ない。
 
　接戦必至の注目の対決は、７月６日（日本時間・６日23時開始）にニジニ・ノブゴロドで行なわれる。