今季の高体連組で一番乗り!来季プロ内定の興國高DF、起海斗とは何者なのか

カテゴリ:Jリーグ

川端暁彦

2018年05月08日

起がマルセロのような技巧派SBに変貌を遂げたきっかけは?

攻撃的なポジションを主戦場としていた起。新たなに与えられた左SBのポジションでJ入りを勝ち取った。写真:川端暁彦

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 5月8日、興國高校のDF起海斗(3年)のレノファ山口への加入が発表された。

「練習参加してきた最初の一日で、『こいつ面白いぞ』となった」と、山口・霜田正浩監督も惚れ込んだ逸材は、ブラジル代表マルセロのプレーに憧れる左サイドバックである。とはいえ、彼がこのポジションを得たのは、たった半年前に過ぎない。
 
「技術的に前で通用しない選手がサイドバックをやる。この感覚をなくしていかないと、日本からマルセロやジョルディ・アルバは出てこない。そういう考えから起をサイドバックに置いたんです」
 
 そう語るのは、興國の内野智章監督だ。2年生までの起は主にウイングでプレーしてきた。右サイドに置けば左利きのメリットを活かしたカットイン、左サイドに置けば俊敏さを活かした突破で存在感を出せる。技術的な幅も広かった。
 
「他の高校に行けば、起はエースになれる選手だと思っています。トップ下もやれるし、右ウイングでメッシのようにプレーすることも、左ウイングでサネのようにプレーすることもできますから。でも、こういう本当に“上手い”選手をサイドバックに置きたかったんです」
 
 挑戦的なサッカースタイルで知られる指揮官は、1年生チームでは10番も背負っていた逸材に、あえて新しいポジションを与えた。もっとも、言われた起にしてみれば、思うところもあった。「正直、最初は抵抗があった」と振り返る。ただ、いざやってみると、意外にサイドバックの楽しさにも気付いた。常に前を向いて、攻撃の起点となれるこのポジションに、新たなやり甲斐を感じるようになったのだ。
 
 レノファ山口への練習参加を通じて、そうした思いはさらに加速したようだ。「めっちゃ熱い人だった」という霜田監督の指導にも感じるところがあり、さらに山口側も思わぬ掘り出し物を見付けたという感触があったようだ。双方の希望が通じ合う形で当初の予定を大幅に上回る期間の練習参加となった。
 
「知らない大人のチームに混じったのに、まったく物怖じしないのがまず素晴らしかった。吸収する姿勢があって、短い期間でもどんどん良くなった。すぐに『ウチへ来てほしい』という話をすることになったよ」(霜田監督)
 
 待っていれば他クラブから新たなオファーが来る可能性もあったが、「霜田さんの練習に参加してすごく感じるものがあったみたいで、本人も即決でしたよ」(内野監督)と山口の申し出を受諾。早々に加入内定が決まった。そして、本人はプロで生き残っていくために必要なモノもすでに痛感している。

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